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「というわけで、正しい口移しをするために、改めてちらし寿司を……もぐもぐ……ごくん」


「いや自分で食ってんじゃねーか」


「うっ……」


「どうした? のどに詰まったか?」


「はぁはぁ……体が……熱い……」


「何やらかしたんだ?」


「ちらし寿司の中に、惚れ薬を入れたから……それで……はぁはぁ」


「マジで何やらかしてんだよ!? 惚れ薬って具体的に何入れたんだ!?」


「トマト」


「トマト」


「トマトはかつて、惚れ薬だと信じられていた時代があった……はぁはぁ」


「いや聞いたことはあるけど迷信だろ、今の時代どんだけトマト食われてると思ってるんだ」


「トマトの摂取量が増えたことにより、日本は自由恋愛が進んだ。それが真の歴史。みんないつも食べているから気づかないだけで、実は体内に深く浸透したトマトパゥワーにより年がら年中24時間365日発情した状態がデフォになっている。はぁはぁ」


「仮にそれが真実だとしてじゃあ今一口食べただけでそう劇的には変わらんだろ」


「はぁはぁ……体が……熱い……こうなったら……」しゅるり


「おい待て服を!? おまえッ! ここで服を脱ぐ気か!?」


「だって、体が、ほてって、ほてって……もう、仕方ない……」


「待て待て待て待てそう簡単に肌をさらすなんて! おまっ、そんな、服を脱いだら!」


「ロボの変形合体機構のパーツを五十個ほど仕込んできた」ブッピガァァン(ロボットアニメ特有の効果音)


「天丼〜〜」


「ちらし寿司だよ?」


「むしろ話がとっちらかってんだよ」

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