第5話 新たな仲間……と、無能な……振り……?
とりあえず、俺たちのパーティにドラゴンが仲間になった。名は、「ルミリオン」と名付けた。
すると、あら不思議な事にドラゴンから龍人へと進化をしていた。
ルミリオンは人間化をして喋った。
「助けた事もそうですが、名付けまでしてくれて助かりました!! ありがとうございます!! この恩は、肉体的でも精神的にも……返させて欲しく存じます。なんなりと、ご命令を……マスター。」
マスター=俺の事だろう。困ったなぁ~。
俺が、考えていると……未来虹はいい案を思いついたらしい。
「だったら、私たちのサポート役になって? 私と未来で……前衛やるから。」
そう言うと、ルミナリエは……目をキラキラしながら言う。
「是非とも、そうさせてください!! わたくしは、そう言うのが得意なのです!!」
得意ねぇ……正直言って、不安しかないのだが……。
━━━━こうして、俺らはまた旅を再開した。
色んな地を転々と歩いていた。
「ねぇ? 未来? 聞きたい事があるんだけど。」
そう言ってくる未来虹……。
俺は「なんだ?」と言って返す。
「なんで、あなたは強いステータスを持っているのに……行く先々に魔導書を全て買ってるの?」
そう聞かれた俺は……少し考えながら言う。
「うーん。趣味として?」
そう言った俺に対し、未来虹は……「ふーん。変なの……。」と言って興味をなくしてしまった。
「マスター!! 私からもいいですか?」
今度は、ルミナリエが聞いてきた。
「━━━━━━━なんだ?」
「何故、マスター達は……無能を演じるのですか?」
その問いに関しては、触れないで欲しかったのだが……まぁ、いいか。仲間だし言っても構わんだろう。
「俺と未来虹は、モブを演じたいのさ。」
「…………もぶ?」
「そう、モブだ。」
ルミナリエは、意味がわからないと言う顔で見つめてきた。
「あー、分かった!! 説明するから!!」
俺は、主人公とそのモブの定義を教えた。
「と、言うことだ。俺らは、主人公を目指してる訳じゃなく……モブとして生きたいのだよ。」
「なるほど……? って事は、陰として行きたいわけですね!!」
「まぁ、実質そんなようなもんやな。」
━━━━━━俺はもう、諦めていた。
こいつにモブの定義を教えても理解しないと分かってしまったから……。
そして、俺は「ユーロード」と言う街から出ようとした瞬間……事件は起きる。
何も変哲もない平和だった少女はいきなり、襲われていた。
━━━━━それを見た奴らは、誰も止めない。
どうやら、この国は掟で……何者かに襲われた少女は眠り人として封印しないと、厄災が起こるらしい。
それを俺らは……。
「バーン!!」
━━━━━━止めていた。
銃で心臓を撃ち抜くと言う弱点を知った俺は、魔法で銃を錬金し、心臓に向けて撃ち……殺した。
「なんて、、、事をするんだ!!」
「悪魔よ……。」
「ひとでなし!!」
街中に色んな……罵倒を聞いた。
それを散々、聞いた後に……俺は言う。
「罪のない人間を、眠り人として送るのは……どうかと思うぞ? 少なくても……俺はそう思う。あんな平和だった少女の未来を奪ってまで……街を守りたいなら……俺を倒してからにするんだな。」
この街も……この世界も……全てが腐っている。
それを正すのは……この魔王である俺だ。
「う、うぉぉぉぉぉ!!」
『バーン!!』
冒険者らしき者は勇気を振り絞り……剣を振るった……だが、それを銃で返り討ちにした。
「まずは、一人目……次、居ないのか……?」
「掛かったな!! あいつは、犠牲になったのさ!!」
「っ……!!」
『スパーン!!』
俺は眼を発光させた瞬間……。
後ろに居た男の首と体が真っ二つに切り裂かれ、
血が大量に流れていた。
「ああなったら、もう止められないね。ルミナリエ、観戦してようか。」
「あ、、、はい!!」
━━━━━━━未来虹は知っていた。こうなることを……。だからこそ、狙われていた少女を人質にしないように遠くで、観戦することを選んだ。
本来ならば、俺は争うことなんてしたくない。
人を傷つくのが嫌なのだから……だが、いざとなると戦闘狂のように、狂った人を殺す事が快感となる。
それが、俺として……一番嫌いな性格なのだ。
すると、後ろから声が聞こえる。
「ねぇ……? 貴方は強いのかしら?」
「来てくれた!! 私たちの救世主!!」
救世主か……。なるほどな。
「強いかどうかは……知らねぇよ。試したいのであれば……試せばいい。」
「そうね……。そうしようかしら……?」
すると、彼女は詠唱を始めた。
途端に、未来虹が苦しみ始める。
「なるほど、運命掌握だな。また厄介な事を……。」
俺は、盾魔法で……未来虹の掌握を防いだ。
「がはぁ……はぁ……はぁ……。死ぬかと思った……。」
そして、スキルで……相手の魔法を分析した結果……。
「なるほどな……完全に理解した。魔法の理論はこういう事か。じゃ、お返しだ……。」
━━━━━━━俺は、相手の運命魔法の理論を完全に習得して目の前にいるやつに"無詠唱"で唱えるのであった……。
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