タイトルからしてセンス抜群。「異世界産」「悪役令嬢」「転生」「猫」――読者が大好物なワードをフルコンボで叩き込まれ、読む前からすでに楽しい予感しかありませんでした。そして、その期待をしっかり上回ってくれるテンポの良い導入と、まさかの展開に思わず笑ってしまいました。
紫苑の明るくツッコミ気質な性格と、元・公爵令嬢である猫・エリザベス(♂)の気品とズレたプライドのギャップがとにかく絶妙。会話のテンポがとても良くて、どこかコントのような掛け合いもありながら、元悪役令嬢としての境遇や悔しさにはしっかりとドラマがあり、読み応えを感じました。