第3話 超絶美少女女神様!?……眩しすぎる!
「ん? ここは……」
目の前に広がるのは、上下も距離感もない、ただただ真っ白な世界。
まるで、現実の影すら存在しないコピー用紙の中に放り込まれたような感覚。
俺は今、立っているのか。それすら分からない。
【やぁ、伝説の勇者】
「……伝説の勇者? ハハ、何そのアニメみたいなセリフ」
斜め上の空間に、ふわりと魔法陣が現れる。
その中心から、光に包まれた何かがゆっくりと姿を現した。
【こんにちは、僕はアオイ。君を異世界に転生させるために来た……女神だ】
現れたのは、まるで幻想から抜け出してきたかのような女性だった。
「あ、ぅ……」
金色に輝くサラサラの髪。
もちもちした完璧な肌。
吸い込まれそうなほど透明感のある青い瞳。
そして、どうしようもなく視線が引き寄せられてしまう、抜群のスタイル。
男なら誰だって目を奪われる、そんな完璧な“女神”。
【どうしたの? 言葉も出ないほど魅了されちゃった?】
「ちょ……直視できない……」
【あら、残念。僕としては目に焼きつけてほしいくらいなんだけど?】
……何を言ってるんだ、この人。
そんなことされたら俺の夜のオカズがこの人一択になって、他の女性なんか一切見れなくなるじゃん!
【確かに、それは言えてる】
「……えっ!?」
ま、まさか……
【うん、心の声ダダ漏れ。……おっぱい、触っとく? 夜のおかず用に】
「ぎゃあああああああああ!!!」
恥ずかしいいいいいい!! 俺、なに考えてんの!? 死にたい! 死んでるけど!
【あははっ、面白〜い♪ ……さて、それじゃ本題いこっか。君、異世界転生って知ってるよね?】
「は、はい……」
死んだら異世界に飛ばされて、スキルとかチート能力で無双するやつ。それくらいはオタクの常識だ。
【うんうん、話が早いね。さっきも言ったけど、君は“伝説の勇者”に選ばれたんだ】
「ええっ!? 俺が!?」
【うん。正直ね、君って今の世界じゃ落ちこぼれもいいとこだった】
「……ぐっ」
【でもね、それでいいの。むしろそういう人の方が、異世界では伸びしろがあるの】
「アニメとか漫画の知識が、役に立つってこと?」
【そう! その知識が、常識の通じない世界で生き残るカギになる】
【例えば、野球選手がどれだけ打てても、腕が吹き飛んだら使い物にならないでしょ?】
「……いや、物騒すぎる」
【例え話だよ☆】
【でも君は、異能バトルとかファンタジー世界に関しては“理論武装”できてる。だから、僕の力で魂以外を作り変えて、最強スペックで送り込む予定】
「魂以外って……え?」
【うん、性格も外見も、ちょっと変えちゃうかもだけど、君は君だよ】
「ちょ、待って、それってどういう──んむっ!?」
突如、女神アオイがそっと俺の頬に触れ――キスをした。
【ん……じゃ、死ぬほど頑張ってね♪】
そのキスは甘くて、柔らかくて、そして……温かかった。
意識がスーッと遠のいていく。目の前が、再び真っ白になって――
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『………………』
【ん? ……そうだね。でも、彼がその人みたい】
『………………』
【うん。きっと彼なら、やってくれる】
【“時の牢獄”を――完成させてくれる】
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