おねーちゃん昔話

 むかしむかし、あるところに、おねーちゃんがいました。

 おねーちゃんは一人でゴロゴロして生活していましたが……ある日、川の上から流れてくるおとーとくんを拾って、たいせつにたいせつに育てるようになりました。




 10 years later.




 人類は蔓延るニヒリズムによって生きる意味を失いつつあり、大半の者が嘆き悲しみながら暮らす毎日を送っていた。宇宙よりやって来た生命体「ゼツボーデス」は抜け殻となった人類の身体を操り、サイバーパンク化した自治都市「ネオ・メッチャウマイ・ベーカリー」の支配を目論んでいた……!


 そこに立ち上がるおねーちゃん!

 成長したおとーとくんを守るために、おねーちゃんは超古代文明兵器「アシタガアルサー」を起動。全宇宙のおねーちゃん力(ちから)を結集して、ゼツボーデスのアジトへ単身突入。溢れんばかりのおねーちゃんpowerを解放したことで全員の魂を「弟」の形に変質させ、世界を救ったのだった……


 ネオ・メッチャウマイ・ベーカリーは国家ぐるみでパン産業を推し進め、おねーちゃんの大好きなカリカリメロンパンの開発に力を入れることで覇権を取り、毎日おねーちゃんの家には焼きたてのメロンパンが届くようになったという。


 とっぴんぱらりの ぷぅ ってやつだな。これは。






「……めでたし、めでたしだね」

「すやぁ……」

「おやすみ、おとーとくん。今日はゆっくり休んでね……」ナデナデ

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