『にゃんだふるワールド』を読んで、心がそっとほぐれていくような、優しく包み込まれる体験をしました。

　にゃん達の王国という可愛らしい舞台ながら、そこに息づく心の繊細なひだや葛藤は、とてもリアルで人間的です。ソンとホンの主従を超えた絆、すれ違いや寂しさ、そして「ごめんね」「ありがとう」の言葉がこんなにも重く温かいものなのだと気づかされました。ミンの家での穏やかなひととき、サンやヨンのぶつかり合いさえも、どこか懐かしい家族のような空気を感じさせます。

　きっとこの物語を手に取る方も、にゃんたちのやさしさや不器用な愛情に癒され、自分の中の“誰かを思いやる気持ち”に気づかされることでしょう。誰かを思いやること、自分の弱さと向き合うことの尊さを、にゃんたちの世界を通じてそっと教えてくれる作品です。

　癒しと成長、そして優しさが詰まったこの物語を、ぜひ多くの方に手に取ってほしいと心から思います。