第13話 おっさん、ポイズンブレスを打ち消す
お昼を食べ終えると、だいぶ靄は晴れてきていた。時間にして30分程度だろうか?
周りを鑑定してみて、毒状態でないことを確認する。
「このポイズンブレスを使う場合は、打ち消す魔法も使える方が良さそうだな…普通の魔法で範囲指定できるかな…?」
とりあえず毒消しが出来そうな、キュアという魔法を考える。
キュアを試すためにも、もう一度ポイズンブレスを使うことに。
「何かいい獲物はいないかな?」
先ほどから派手に魔物を倒していたせいか、周辺から魔物の気配が消えてしまっていた。
「ここはひとつ、森に入ってみようかな?」
森の中は鬱蒼としており、時折遠くから魔物たちが争うような音も聞こえてきた。
「一歩入るだけで全然違うな…転生先がこの森じゃなくてよかった…」
視界が悪く、道もよくないので、常時マップとサーチを展開することに。
色々試した結果、マップ上にサーチの結果を表示することができた。これで迷子になることなく敵を探すことが出来る。
「…こんなに浅いところでも魔物の集団がいるみたい?まぁ魔法の練習には都合がいいけど」
魔物がいる方へ近づいてみると、そこにはゴブリンが7匹ほどうろうろとしていた。
「この程度ならなんとかなるかな?」
周りに人間がいないことは確認しており、既にマスクは外している。
なんとなく自分の周りの空気だけ薄紫になっている気もする。
人のいない森の中で、どれだけ日常的にポイズンブレスを垂れ流しているのか分かったのはよかった。
「とりあえず…ポイズンブレス!」
先ほどと同じようにポイズンブレスを使ってみると、あっという間にゴブリンたちが苦しみ出した。しかし、先ほどと違ってゴブリン達は自分達を苦しめる元凶から少しでも離れようと、もがきながら後退しだした。
「なるほど…さっきはたまたまスモールボアの毒耐性が極端に低かっただけなのかな?割とすぐ動きが悪くなっているし、神経毒の可能性もあるか…」
そんなことを考えつつ、魔物を痛ぶる趣味もないので、ストーンバレットでトドメを刺す。
ゴブリンが全て息絶えたことを確認すると、次にキュアが使えるか試してみることに。
「ポイズンブレスを打ち消すイメージで…キュア!」
ポイズンブレスに向かってキュアを唱えると、キラキラしたものが広がっていき、やがて紫色の靄と共に消えていった。
一応周りを鑑定してみて、毒状態でないことを確認し、ゴブリンの魔石と討伐証明の右耳をアイテムボックスにしまう。
残りの部分を燃やしてしまい、今日は街に帰ることにした。
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