Heaven Part1-1 走馬の姉
急な閃光にわたしは目を眩ました。チカチカとする目がだんだんと治っていくと見えた景色は先ほどの白い閃光と大差ない白い空間だった。どことなくフワフワとしてる何も見つからない空間。
「ここは、どこ?」
わたしはとりあえず何かないかとあたりをキョロキョロしながら歩き始めた。だけど何か変わったものが出てくることもなく、ただただ何もない白だけが見える。
「こんなことなら、普通に天国に行けばよかったなぁ。あれ、でも天国側の提供だって言ってたっけ…じゃあ、なんなのここ」
「走馬の眺望空間だよ?」
「キャ!?」
「え、かわいい驚き方。ネコが飛び跳ねたみたい」
いつの間にかわたしの後ろにいて話しかけてきたのは水色のセーターを着た三つ編みの女子高生?だ。
「あ、あなたは誰⁉︎」
驚いて聞くと彼女は、興味深そうにわたしを見つめてブツブツと独り言を言い始めた方
「なるほどね、急に背後から話しかけるとついさっきまで疑問に思っていたことよりも、話しかけてきた者は何者なのかが先に声となる…面白いなぁ…」
「あ、あの…話聞いてますか?あなたは誰なんですか?そしてここはどこですか…走馬の眺望空間とか言ってましたけど…」
クリッとした目をこちらに再度向け、今度はちゃんと私に向かって話してくれた。
「ごめんごめん面白い結果が得られたものでつい私だけで楽しんじゃった。まずは私の名前だったよね、いいよ。私の名前は川上楓。あなたは上野椿さんだよね…ずっと見てたよ」
!?…わたしは全身から驚いた。わたしの名前を知っていることと、最後の怖い発言なんかどうでもいいくらいに彼女の名前に身の毛がよだった。
川上椿はつい先日まで生きていた私とずっと話をしててくれていた「川上走馬」の死んだ姉の名前だったから。
「楓って…あなた走馬のお姉さん?」
聞くと彼女は自分の人差し指で自身を指して元気よく、誇らしげに言った。
「そう!私が走馬の姉さん!」
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