エニル制 多夫多妻制について
剣『さて、この世界で一番わかりにくい部分である『エニル』について説明しようか!』
チ「一番わかりにくい概念だにゃあ!」
剣『このエニル制というのは言葉にすると簡単で、『多夫多妻制』のことで、『
チ「これが一番良くわかりにくいんだにゃあ……」
剣『わかりやすく例えるとサザエさん一家にノリスケ一家が住むみたいな感じです。ですので、一家の中にお父さんお母さんが複数いて、おじいさんおばあさんは元より、息子、孫も沢山一緒に住んでいる状態になります』
チ「にぎやかな家族構成だにゃ!」
剣『だから、普通に大家族制と思うぐらいが丁度よいですね』
チ「確かに大家族になるんだにゃ!」
剣『そして、これを取り入れた理由が重要になってきます』
チ「何かにゃ?」
剣『実は宇宙というのは色んな国があります。それこそ『億』を超える国々があり、そこには色んな歴史があります。ここまでは良いですね?』
チ「もちろんだにゃ! 地球でも色んな国や文化があるんだにゃ!」
剣『そうなると家族制も一夫一妻だけとは限りません。一夫多妻制もあれば、多夫一妻制もあります』
チ「風習は色々だにゃ!」
剣『では質問です。嫁さんが沢山居るイスラム一家が日本に移住することは出来ますでしょうか?』
チ「……にゃあ……難しいんだにゃ! 日本では重婚は罪だにゃ!」
剣『その通りです。残念ながら奥さん数名は離婚してもらうか、移住は諦めてもらうしかありません』
チ「仕方ないんだにゃあ……」
剣『ただ、もしこの移住希望のイスラム一家が日本の社会システムに不可欠な技術を持っており、日本の未来を担うほど重要な人物だった場合はどうなるでしょう?』
チ「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! 頭が痛いんだにゃぁ! どう頑張っても解決できないんだにゃ!」
剣『それでも解決しなければならない場合、日本政府はどうすべきだと思いますか?』
チ「にゃあ……既存の一夫一妻制を見直すしかないんだにゃあ……あっ!」
剣『その通りです。多夫多妻制とは他国からの有能な技術者を柔軟に受け入れることが出来るので、宇宙ではこのシステムが取り入れられているんです』
チ「意外と現実的な理由だったにゃ!」
剣『実際問題、現状の日本が一夫一妻になったのは明治維新以降で、その理由と言うのも先進国である欧米に文明国として認めてもらうために一夫一妻制を取り入れただけです』
チ「割と軽い理由だったんだにゃ!」
剣『とは言え、優れた国と同じことをやって行けば同じように発展するというのは成長の鉄板法則でもあります。『優れた人に合わせる』ってのは決して間違ってはいません』
チ「けど、いきなり多夫多妻に変えると言うのは問題が噴出しそうだにゃあ……」
剣『当たり前です。ですので、未開国ほどこの制度を取り入れる時にトラブルが続出します』
チ「酷い話しだにゃあ!」
剣『とは言え、実は日本の一夫多妻制も、とある事情で取り入れたシステムなんですよ?』
チ「何かにゃあ?」
剣『遣隋使です』
チ「にゃあ?」
剣『諸説はありますが、それまでの日本は多夫多妻制で好き放題に結婚しまくっていたんですが、そこを当時の隋に『野蛮な国の風習』として、国交交渉を門前払いされたことが原因の一つです』
チ「酷い話しだにゃあ!」
剣『実は最初の遣隋使はこのように大失敗から始まっており、この時に聖徳太子が『この国を文明国と認めてもらうために様々な部分を隋のやり方にかえなければならない』と合わせた結果、一夫多妻制になったんです』
チ「意外なルーツがあったんだにゃあ……」
剣『ちなみにこちらも諸説は色々ありますが、この時代に面白い風習がありました』
チ「何かにゃ?」
剣『男は家を持たない』
チ「にゃあ!?」
剣『実は家を持てるのは女の方で三界に家が無いのは天皇陛下ですらそうだったと言われています』
チ「うにゃあ? その説はなんだかおかしいような気がするんだにゃあ?」
剣『実際の所はわからんけどね。ただ、実際にこのシステムを作者がシミュレートした時、よく考えると確かに女が家長になるなと思ったんだわ』
チ「どうしてだにゃあ?」
剣『だって、誰の子かわからないじゃん?』
チ「……にゃあ?」
剣『色んな人をエッチしまくって、子供が生まれてるんだぞ? 母親の子供は確実なんだから、そこを軸にするようになるだろ? 今みたいにDNA鑑定できるわけじゃないし』
チ「げ、現実的な理由があったんだにゃあ……」
剣『そして、これが重要なんだけど、現在の日本……と言うよりも先進国が抱える最大の家族問題はなんだと思う?』
チ「???? LGBT?」
剣『それは全体から見れば少数だから最大ではない。正解は『シングルマザーの貧困』。女性の社会進出によって既存の一夫一妻制が崩壊を始めているんだ』
チ「重い話しになったんだにゃ!」」
剣『真面目な話、シングルマザーは重い問題だと思うし、子育ては難しい環境にあるのは確かで、これが原因で色んな分野が崩壊を始めている』
チ「どうにかしなきゃならないんだにゃ!」
剣『かといって、今の時代にいきなり『やっぱり女性は家庭に戻ってください』ってのもおかしな話になるだろう? 断言しても良いが、これだけでそこら中から叩かれるレベルの炎上に発展するぞ?』
チ「昨今はネットの世界も過激な男女平等論者も増えたんだにゃあ……」
剣『そういった問題を克服するためにエニル制を導入されたと言って良い。先ほどの話にも繋がるんだけど、多夫多妻制では複数の男と関係を持つ女性はどうなるでしょうか?』
チ「不貞な女性だと思……にゃあ? おかしいんだにゃあ! 夫を複数持っても許される世界だにゃあ! そんな世界で不貞なんて存在しないんだにゃあ!」
剣『そうなるよねぇ……それにこれも大事だが、この世界では子育てはどうなる?』
チ「えーと……家に色んな大人が住んでいるから、安心して働けるんだにゃあ!」
剣『そこがエニル制の良い所で、シングルマザーでも安心して働ける世界でもあるんだ。だからエニル制というシステムを導入しているんだよ』
チ「よく考えているんだにゃあ!」
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