コロニーの内部構造
剣『次にコロニーの内部構造を説明しよう!』
チ「こんな所まで作ってるんだにゃあ!」
剣『と言ってもそんなに難しくないよ。しいて言えば。宇宙世紀だと採光用の部分は完全に窓になってるけど、この世界だと水深10mほど水が詰まってるだけ』
チ「……どうしてそんな仕組みなのかにゃあ?」
剣『第一に宇宙空間で一番大事なのはなんだと思う?』
チ「……御飯!」
剣『それも凄く大事なんだけど、答えは『空気』。採光の部分は物凄く穴が開きやすい上に外が真空だから、それはそれは恐ろしいほど早く空気が吸い取られしまう』
チ「ガンダムでしょっちゅう空気が抜けてたんだにゃあ!」
剣『アレ見ていつも思った。『ちゃんと対策しとけや!』って』
チ「その辺のツッコミがあるのもSFのお約束だにゃあ」
剣『そして、先ほども言ったけど、水は割と手に入れやすいんだ。さて、ここで質問です。採光窓が割れた時、そこに水が詰まっていたら何が最初に出るでしょう?』
チ「水だにゃあ!」
剣『そして、もう一つ重要な点として水の方が空気の何倍も『粘性』があります』
チ「粘り気がどうしたんだにゃあ?」
剣『例えばだけど、ちょっと大型の家庭用の水槽ですら、銃弾を完全に止めるほどの力があるんだ。そうなると水深10mほどの水なら隕石もかなり減衰して威力が抑えられるんだ。なんぼ採光窓に分厚い氷を張っていたとしてもそれでも完全に防げるわけではないし、そこから飛び出た隕石は鏡に当たって中へと入っていく。でもそこまでの過程で大分威力が落ちてからコロニー内部へと入ってくるから、被害は最小限に抑えられるんだ』
チ「安全設計だにゃあ!」
剣『加えて、こっちのコロニーは壁の厚さは10mが当たり前で地上部分も厚さ10mの岩盤が守ってくれます』
チ「こっちも安心設計だにゃ!」
剣『そんなわけで安全に住めるんですが……』
チ「……にゃあ?」
剣『実はコロニーの大半は人が住めません』
チ「ここまで安全にしておいて何で人が住めないんだにゃあ!」
剣『実は……コロニーの大半は『農業コロニー』です♪ 大体ですが、三分の二は農地です』
チ「ここまで来てそのオチは酷いんだにゃあ!」
剣『と言ってもこれは仕方ないんだ。コロニーほど農業に適した場所は無いんだから』
チ「????何故だにゃあ?」
剣『まず第一に害虫が居ない!』
チ「にゃあ?」
剣『病害も無い!』
チ「にゃあ!」
剣『栄養管理も簡単で、水が循環するし、害獣も居ない!』
チ「素晴らしいんだにゃあ!」
剣『さらに言えば、先ほど君は言ったね? 『御飯が大事』と!』
チ「言ってたにゃあ!」
剣『実は資源は小惑星から簡単に手に入るんだけど、御飯は水と空気と日光がある場所でしか無理だからねえ……住んでいるのはコロニーをつなぐ連結部で、庁舎などの要人や観光客を入れるホテルなどは中央市街コロニーで対応するんだけど、それ以外の人は連結部の集合住宅で住んでいるよ』
チ「なんだか扱いが酷い気がするんだにゃあ」
剣『とは言っても普通は市街地まで出て遊んだりしたりするし、学校も全部中央コロニーにあるから、別にそこから出られないってわけじゃないからねえ。結構暮らしやすかったします』
チ「住めば都だにゃあ」
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