応援コメント

第十五話 虫の息の聖人」への応援コメント


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     この時点ではドラゴンイーターさんがきちんと登場しておらず、本作の醍醐味をきちんと把握できていないだろう今。正しい評価が出来そうにないので、こちらに感想を書かせて頂きますね。



     村から少し離れた森で炭焼きを生業にする、村一番の正直者の少年が主人公。
     ある日、縁のある近くの村がドラゴンの襲撃を受けてしまう。強大で邪悪な“脅威”を打ち払うには、詩にもなっているドラゴンスレイヤーを王都から招集し、力を借りる必要があった。

     そうしてドラゴンスレイヤーを見つけ出し、村に連れ帰る任を折った主人公は単身、旅に出る…。



     三人称、かつ、硬派な文体で描かれる異世界。
     登場する村や人の名前はカタカナで、ドラゴンが登場するなど、異世界情緒が感じられるのに、不思議と親近感がある。その理由を探してみると、我々、日本人に身近なモノがあるからでしょう。ハッチョ(味噌(?))であったり、半纏であったり。

     それらに親しみを持ちながら読むことで、逆に、ドラゴンや村、街並みなどの異世界が強く引き立っていて、硬派で丁寧な描写も相まって、本作に生きる人々やその情景が脳内にくっきりと浮かんできました。

     正直者である主人公も好印象です。多くの時間を主人公が1人で過ごすということもあって、彼の人となりが良く掘り下げられる。そんな彼が心を持ち、きちんとした善人である点は見ていて安心感を与えてくれます。
     比較的読者に近い価値観を持っているため、感情移入しやすいキャラクター性であるように感じました。このことも、『異世界』を際立たせる一因になっているのだと思います。

     時折ある、異世界らしい「おや?」も醍醐味です。トロールと友達だったり、幽霊らしきお父さんが居たり。謎の老人魔法使いや、第4王女の正体もそうですね。彼ら彼女らが適所に散りばめられているおかげで、ともすれば硬くなり過ぎて読み辛さを感じてしまう三人称の物語にテンポや流れを生み出してくれる。そのおかげで読み進めやすく、同時に異世界ファンタジーらしさを感じることが出来ました。

     総じて、現段階では、剣と魔法によるバトル、モンスター討伐というよりは、異世界ならではの雰囲気を存分に味わうことができる点が本作の魅力に感じます。



     他の作品に触れるためにここで一度区切らせていただきますが、恐らくこの先、ドラゴンイーターの少女との出会いがより具体的に描かれ、物語が大きく動くのだと思います。
     ダイジェストで“先の展開”が見えているおかげで、安心して結末を待つことができる点も工夫されていて、良い点だなと感じました。

     美女で大食いでどこかがめついドラゴンイーターさんはもちろん。主人公の過去(特に呪いについて)や、第4王女の行方と主人公との決着など。きちんとした文体と世界観が本作の“これから”に期待させてくれます。



     以上が応援も込めた、ここまでの感想でした。作品の長所や強み、きちんと伝わっていればいいのですが…。

     この度は素敵な作品を自主企画に応募して頂いてありがとうございました!

    ※追伸
     最初で盛り上げるの難しいですよね…。私も間延びしがちです…。
     上記にもあるように、本作の場合はダイジェストのおかげで見どころがわかり易く提示されています。
     “驚き”のおかげで物語の途中でも退屈は一切、感じませんでした。なので無理に変える必要はないかなと思います。

    作者からの返信

    丁寧な感想ありがとうございます。

    ドラゴン・イーターをかっこよく描こうと思って始めた長編なのに、自分でも途中から焦り始めるぐらい彼女が登場しなくて。ネット小説は最初で盛り上げなければだめ、と言われてなるほどと思っても、それがちっともできないのですよね。今後の課題ですが、できるきがしません。。