第61話 本格ファンタジー
少し前、ひさびさに小説家になろうのエッセイを覗いてみた。
すると、ちまたで本格ファンタジーについての論争が巻き起こっている的なことが書かれていた。
マジで?
エッセイランキングを見渡しても、そんなこと書いてるやつオタクの他におらんけど。
調べること数分。どうやらツイッター界隈で話題になっていた様子。
おじさんはツイッターをやらないので、そんな騒ぎはまったく知りませんでした。
ぶっちゃけ本格ファンタジーとかどうでもいいのですが、創作論を書くネタもないので、いっちょ噛みしていこうかなと思います。
え~、本格ファンタジーってなに?
ハッキリ言ってよく分かりません。
漠然と頭に浮かぶ像はありますが、言語化するのはとても難しい。
人によって思い浮かべる本格ファンタジー像も違うでしょう。
正しく定義できるとも思えませんが、やるだけやってみます。
私自身、本格ファンタジーを読みたいという欲求はあります。
ですが、いまさら作品固有のメンドクサイ設定や世界観、勢力図を覚えたいと思いません。
できれば、いま知っている知識の中で理解できるものがいいです。
これはたぶん、他の本格ファンタジーを欲する人も同じではないでしょうか?
そもそも、WEBで本格ファンタジーを欲する人の大多数はオッサンでしょう。
オッサンの中のオッサンである私の感性と照らし合わせれば、生態が見えてくるかなと思います。
まず、オッサンには体力がありません。
そして、あらたな知識を得るべく勉強する意欲もありません。
ファンタジーなゲームをやりたいけども、操作方法や設定を覚えるのもメンドウです。
そこで小説なのです。
よい小説はわかりやすく、順を追って説明してくれるので、すんなりとファンタジーの世界へ入っていける。
だからこそリプレイ日記みたいなものが、むかし流行ったんですよね。
かわりにゲームをしてもらっている感覚。
ですが、だんだんそれだけでは満足できないようになる。
あくまでゲームではなく、違う世界を体験したいってのが根底にありますから。
サバイバルの番組を見る感覚に近いでしょうか?
サバイバルを実際にやるのは大変です。水もそう簡単に手に入りませんし、火だってつかない。
不快な虫だってワンサカいる。
だからこその疑似体験。
自分の代わりに冒険をしてもらいたい。
ゲームのキャラクターではなく、人が違う世界にいったらどうなるかを見てみたいんです。
それにはある程度のリアルさが必要です。
生身を感じられる世界観が必要とされます。
お腹も空けば眠気も感じる、喜びもあれば痛みや恐怖もある。
それらを表現した作品ほど、本格的と感じるでしょう。
ですが、小説ではすべてを表現することはできません。
文字数の制約もありますが、なにより冗長です。
ストーリーに関係ないことをグダグダ書かれた小説は、読むのがほんとうに苦痛なのです。
ですから、小説では取捨選択が必要です。
食事、排せつ、睡眠。当たり前のようにあるけれども、あえて描きはしないのです。
ですが、書いてないからと言って、存在しないわけではありません。
人は水や食料なしでは生きていけませんし、物語のあるシーンへとワープもできません。
そこに至るまでの時間や道のりに無理がないか作者は気をつけねばなりません。
書かれていないことは存在しないのではなく、考えたうえで省略されている。
読者はそんな物語にリアリティーを感じるのではないでしょうか?
ちょっと強引に結論。
・今いる世界の延長上にありながらも、未知の体験を提供してくれるもの。
・そのシーンに至るまでに無理はないか、ちゃんと考えられているもの。
・不必要なものは描かず、面白さを表現するものをしっかりと描いているもの。
・今いる世界と違いをだしつつも、すでに身につけた自分の知識で理解できる範疇に抑えているもの。
本格ファンタジーの定義はわかりませんけども、これらを満たすものが本格ファンタジーを求める人たちが期待する小説なのではないでしょうか?
こんな感じになりました。
ツイッターではどんな話がされてたんでしょうね?
個人的にはテンプレやナーロッパかどうかは関係ないと思います。
あくまで描きたい物語があり、それを表現する手段として小説を選んだにすぎない。
ナーロッパも同様。
たとえナーロッパが舞台だとしても、そんな世界が実際にあったらどうなっていたか考えて描く。
そんな作品には、リアリティーとオリジナリティーが宿るものだと思います。
WEB小説では、WEB小説を読んでWEB小説を書いている状況です。(なろうを読んでなろうを書くとも)
また、そのような小説の方がポイントを稼ぎやすく、人目に触れやすいです。
これらの不満が「本格ファンタジーとはなんぞや」みたいな議論がたびたびでてくる下地となっているのかも知れませんね。
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