広大な天の川銀河で渦巻く争いの気配と、その中に立つ監査官イサの姿が印象的な物語。任務として降り立った地で、自分の属する国家が思いもよらぬ扱いを受けているという状況が、静かな緊張感を生み出している。銀河規模の歴史や政治が背景にありながら、描かれるのは一人の行動と視点。その対比が読み心地を引き締め、SFらしい広がりと人間らしい迷いが同時に感じられる。銀河の行く末を追いたくなる一作。