第2話 昨日のこと

昨日の映画デートもなんか楽しくなかったな。

勉のドタキャンにより、次の日になったデートも、もう昨日のことだ。


1時に待ち合わせと言われたので、映画館に行ってみると、勉はまだいなかった。

結局来たのは1時半。3月の寒空のした30分も待たされる羽目になった。

「ごめん!まった?」

一言だけ謝られた。内心「待ったに決まってるだろ」と思ったが、口に出すのはやめておいた。

勉が30分も遅刻したせいで、予定していた流行りの恋愛映画は見れなくなってしまった。そのため、有名なアニメの劇場版を見ることになった。別に興味があったわけではないが、日本人ならそれなりに知っているし、それなりに楽しめた。


映画が終わったので、喫茶店にでも入って感想を言い合おうと思ったが、勉は、

「じゃあ、今日はありがとう。飲み会行ってくるわ」

と早足に帰っていった。

そんなに私といるのが嫌なのだろうか。寂しさは募るばかりだ。


そして今日に至る。久しぶりに朝からひとり酒をししまっている。大好物のライム酒。

昨日のことを思い出したくないんだけど、そうしても考えてしまう。勉はどう思っているのか。

ただ、こんなに淡白になっているのに別れ話はしてこない。現状維持、彼女がいると言う肩書きだけが欲しいのではないか。最悪の考えもよぎってしまう。

気持ちに押しつぶされて寝れない夜が続いた。

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