第50話 ギルドでの密会
メイとヒノは一緒に仲良く学校へ登校した。
メイの授業中にヒノは学校を出て、ゴウの所に向かっていた。
ゴウとはこの街のギルド長で、この国の軍の元帥だった男だ。
軍を退役後は、この国の姫ヒミの護衛をしてきた男である。
ヒミは現在この国の国王になっている。
ギルドの場所はこの街の中央で、広い敷地を高い壁で囲み、ちょっとした城塞となっている。
この城塞のようなギルドの建物には一本高い塔が立っており、街中を見渡せるようになっている。
塔の最上階の中央には机が置いてあり、四つの椅子が机に備え付けられている。
ヒノとゴウの密談はいつもここで行われる。
「ヒノ様、透明魔女様の事は何かわかりましたか」
「ふふふ、お母さんになりました」
ヒノは嬉しそうに頬を赤らめた。
「はーっ」
ゴウはヒノが何を言っているのか全くわからなかった。
「メイちゃんっていうのですけど、すごく可愛いのです」
「順調と言うことでよろしいのですかな?」
「はい、順調です」
「実はヒノ様に見ていただきたい物があるのですが」
「な、何ですか」
「こちらへ」
ヒノはゴウにギルドの一階の格納スペースに案内された。
だだっ広い空間は薄暗いだけでも気持ち悪いのに、魔獣の死体がいくつも安置されていて、心底気持ち悪い。
ヒノはなんでこんな所に案内するのかと少し怒っていた。
眉毛をつり上げゴウの背中を見つめた。
奥に進むとどんどん暗くなり、薄気味悪さが増すばかりだった。
ヒノはどんどん心細くなり、少し体に震えが起きていた。
「ヒノ様!」
「きゃっ」
ゴウが急に立ち止まり声を出したので、ビックリして悲鳴を上げてしまった。
恥ずかしくて顔が真っ赤になっているのがわかった。
でも暗くてゴウにはばれないので安心していた。
「こいつらが、メイ様が昨日退治した奴らです」
目をこらすと、巨大なトロールと少し小さめの黒勇者が転がっている。
「こうしてみると大きいわね。見せたい物はこれですか」
「いいえ、違います」
ゴウはまたすたすた歩いていく。
もう、光がほとんど無く、真っ暗だった。
「少し待って下さい」
ヒノはこんな所で一人にしないでと、本気で怒りが湧いてきた。
だが心細くて、泣きたくなっていた。
ガシャン
ぐおおお
「ぎゃーーっ」
もう完全に悲鳴を上げてしまった。
ヒノの真後ろで音と声がしたのだ。
ペタンと腰が抜けて座り込んだ。
その時壁の採光用の窓をゴウが少しだけ開いた。
「ぎゃーーー」
ヒノはもう一度悲鳴を上げた。
ほんの少し開けられた窓から光が入り、音の出たところをみてしまったのだ。
そこにはトロールと同じ位の大きさの、黒勇者が横たわっているのだ。
頑丈な檻にいれられてはいるのだが、黒勇者である。
しかも生きているようだ。
「ゴウ、これは」
「黒勇者です。まだ生きていますが安心して下さい。虫の息です。まもなく死ぬでしょう」
ヒノは大きく目を見開き弱っている黒勇者を見つめた。
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