第48話 小川のお風呂
「でもメイちゃんは何故、他の食べ物が出せないのですか」
「……」
私は今まで食べてきた物を思い出しています。
「どうしたのですか」
「先生、私は他に食べたことがあるのは、腐りかかった野菜のクズとか、何日か放置して食べられなくなった残飯とかだけです」
「えっ」
「食べられない日は三日位食べられない時もありました」
「メイちゃん!!」
先生が私を抱きしめてくれました。
わたしは先生が少し好きになりかけました。
胸で窒息するまでは。
声も出せないので少しずつ顔をずらします。
「ぷはっ、先生苦しいです」
「ご、ごめんなさい」
「そんなことより、先生、授業をお願いします」
先生の目がまた上下に揺れながら左右に動きます。
「ご、ご、ご飯も食べましたし、先にお風呂に入りましょう」
「お風呂ですか?」
「お風呂です」
「無いですよ、入ったことがありません」
「じゃあ、体が臭くなりませんか」
「お風呂はありませんが、体は川で洗います。臭いのは嫌ですから」
「じゃあ川で大丈夫です」
「では、準備をします。呼んだら来て下さい」
「せんせー!、いいですよーー!!」
裏の小川からメイの声がした。
ヒノが声のする方へ歩いて行くと、川に石で丸く囲われた場所があり、既にメイは首だけ出して水の中に入っていた。
ヒノは服を着たまま外に出ていたので、川の手前の木の陰で服を脱ぎ、枝に服を掛けた。
右手で胸をかくし、左手で股を隠し、よちよち歩いている。
右手で隠している巨大な胸は、ほとんど露出していて、隠す意味が無いように見える。
「せんせー、誰も見ていません大丈夫ですよー」
「メイちゃんが見ているじゃ無いですかー、恥ずかしいですよー」
やっと川岸まで来ると小川に足を入れる。
「なんですかーー、これはーー!!」
ヒノは冷たいのを想像していたが、水が温かかった。
「魔法で温めています」
「すごく気持ちいいです」
メイのまねをして首までつかり森を見ていると、開放感と夕日でオレンジ色に染まる美しい森の景色にうっとりしてしまった。
お湯は川の水なので流れで適度に入れ替わるから、行儀が悪いのだけれども、メイがお湯に沈んで頭を洗っている。
ヒノも真似して洗い始めた。
川に沈むとメイが体にひらひらした物を、巻き付けているのが見えた。
ヒノはその端を引っ張った。
「ぎゃーー、せんせーー、なっ、なにをするんですかー」
メイが必死に押さえる。
シロちゃん、クロちゃん手伝ってーー。
二人が人間と同じ大きさで現れた。
二人の精霊は元々悪戯好きである。
こんな楽しそうな事に参加しないわけが無いのである。
三人で引っ張ると、美しいメイの体が飛び出した。
メイは、手で必死に隠した。
「ばかーーー」
叫びながら家に駆け込んだ。
ヒノは美少女メイの全裸を見て、何だかすごくありがたい気持ちに成っていた。
「ぎゃーーー」
ヒノは悲鳴を上げた、メイがいなくなると川の露天風呂は、ただの冷たい水になるのだ。
自業自得である。
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