第2話 出会い

「だ、誰!?」



コックピットから現れたのはちょっと派手な格好をした女の子。

自分とそんなに歳が変わらなさそうだった。



レイ「あ、あなたは?」



レイから出た第一声がこれだった。




「衛兵…では、なさそうですわね…。ということはコソ泥!?」

レイ「こ、コソ泥なんてしてないです!魔神装甲をもらいに来ただけです!」

「やっぱりコソ泥じゃない!今すぐ衛兵へ突き出したい所ですけど…。今はそれどころじゃありませんわ!丁度いいですわ!貴方、コソ泥を見逃す変わりに手伝いなさい!」

レイ「で、でも…僕は魔神装甲を…」

「今は魔神装甲はお渡しできませんわ…ですが、私に強力して下さるのなら後で魔神装甲の一つや二つくれて差し上げます!」



その言葉にレイはこの女の子は只者ではないと感じることができた。

それと同時に何かに焦っている様子もわかった。



レイ「わ、わかりました。僕はどうすれば?」

「貴方、お名前は?」

レイ「レ、レイです」

「レイ…レイね。私はアルナ。王族だから紹介は不要よね?」

レイ「いえ、僕、貧民ですからそんなに詳しくなくて…もしかして、お姫様なんですか?」

アルナ「もしかしてではなく、その通りなのよ!」

レイ「で、でも。お姫様がこんな所で何かしているなんておかしいです!」

アルナ「今は説明している暇はありませんの!」



押し問答をしている最中だった。

ピピピという機械音が聞こえる。



アルナ「今、取り込み中ですわ!そちらの首尾はどうですの?」

『こちらは遺跡の最奥に辿り着きましたが…何者かが先に…うわっ!』

アルナ「どうしましたの!?もし?もし?」



仲間からの通信が途絶えた姫は焦っているのを感じた。

そして、自分たちが居る場所にも追手が迫っていた。



ガシャン…ガシャン…




アルナ「!?」

レイ「な、何の音?」

アルナ「なりふり構わず…ですか…お兄様!貴方!急ぎなさい!」



言われるがまま、レイはアルナとは別の戦闘機のようなものに乗り込む。

乗り込んだものの、計器は反応せずレバー等を動かしても反応しない。



レイ「壊れてるの!?」



乗り込んだ際に、周囲の景色が見えるようにはなったが、いまだエンジンが始動する様子はない。

アルナの方も同じようだった。

そうこうしているうちに、目視できるところまで何か大きな物が近づいてきているのが確認できた。



アルナ「あれは!12騎士の1人、ジタンの魔神!」

ジタン「コソ泥が1人こちらへ逃げたと聞きましたが…どうやら、もう1人いるようですなぁ」



反応に気が付いたのか、剣を抜きこちらへ向けた。



アルナ「ジタン!誰に剣を向けたのかわかっているのですか!?」

ジタン「知りませんねぇ…。私はただ、王よりと命令されただけですからねぇ~」

アルナ「ッ!」

ジタン「恨み事ならあなたの兄君に言ってくださいな?」



そう言うと、アルナの乗る戦闘機のようなものに斬りかかる。



ガツン


鈍い音はしたが、アルナの方の機体は少し傷ついたぐらいのようだった。



ジタン「へぇ~。案外丈夫なようですねぇ」



再び構えた剣を振るおうとした時、ジタンの装甲に衝撃が走った。


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