第4章 アピール、その先

遊園地withシスターズ①

「お兄ちゃん~!こっちこっち!!もうみんな着いてるって!!」


「わかったから、引っ張らなくても行けるって。」


「もー!その一分一秒で今日何個乗れるか変わってくるんだから!!私先に行くから!!おーいみんなー!」


「はいはい、転ぶなよー!ったく…。」


俺は今『宇治急ローランド』という遊園地に来ている。


つい先日、綾香のゴッドハンドにより遊園地のチケットを手にいれたことがきっかけだった。


前遊びに行ったときに話に出ていた遊園地に行きたいな~という彼女らの妄想が、チケットの期限日が近いということもあり現実になった形だ。


そんなこともあってか綾香に俺もついてきてほしいとお願いされ、断ろうと考えていたところ、狙いすましたかのようなタイミングで紗季ちゃんからもお誘いの連絡をもらってしまった。


それでも俺は断ろうと思っていたが、母親から中学生だけだと不安だからと言われ、結局保護者として同行することになり今に至るというわけだ。


そんなことを思い出しながら待ちきれないで先に行った綾香が向かった方へ俺も歩いていくと見知った3人が待っていた。


「りょ、涼真さん!!お久しぶりです!!!!」


「涼真お兄ちゃん~やっほやっほ~おひさ~。今日もすごくお兄ちゃん力高いねぇ~。」


「ご無沙汰しております。今日は無理を言ってすみません、ありがとうございます。」


三者三様の反応で俺を迎えてくれた、紗季ちゃん、日和ちゃん、美里ちゃん。

そこまっで経っていないと思っていたが中学と高校では顔を合わせることもないし確かに久しぶりだ。


「3人とも久しぶりだね。紗季ちゃんとはちょこちょこ勉強のことで相談受けてたけど、うん。みんな元気そうで何より。」


「えへへ!!その節はありがとうございましたっ。それに、今回連絡して困らせちゃいましたけど、おかげで涼真さんとまた会えるなんて嬉しいです!!」


「あはは。大げさだって。さすがにあんなにお願いされたら断るわけにもいかないかなって。」


母親からの圧に負けたのは内緒だけど。


というか紗季ちゃんは今日も中々に気合いが入った格好だなー。さすがは女の子というかギャルというか。


日和ちゃんは前会った時よりも少し薄着になった感じがするけど相変わらずなにか動物モチーフのキャラクターのパーカーを着ているし、美里ちゃんは落ち着いた格好だ。俺と並んでも違和感ないくらいには他3人よりも大人な雰囲気を感じる。


と、みんなの格好を一通りみたあと俺はそれじゃぁと口にする。


「今日は俺はただの保護者としてきたからさ、少し離れたとこからみんなの様子見てるし、俺のことは気にせず楽しんでね。さっ行こうか。」


そう。俺の役目は4人の保護者。

せっかくの友達だけの空間を邪魔したいわけじゃないからな。


とっとと入場受付を済ませようと一歩踏み出した瞬間、両腕とおなかのあたりをガシッと掴まれてしまう。


「うっ!お、おいおい、どうしたんだ、いきなりつかんだら危ないだろ?」


右腕には綾香がこれでもかと力強く組み付き、左腕には少し控えめではあるが紗季ちゃんがこちらを見上げながら何か言いたげな目を向けてくる。


「お兄ちゃんも一緒なのっ!!」


「そ、そうです!!来てもらっただけでも申し訳ないんですけど、でも……、い、いっしょにまわりたいな~って!!」


「スンスン。そ~、みんな涼真お兄ちゃんと遊ぶの楽しみにしてたんだよぉ~。スンスン。もちろん日和もなんだけどぉ~。くぁ~ひさびさの涼真お兄ちゃんの匂いはきくぅ~。」


そしてお腹には日和ちゃんが顔を埋めてうずめてクンクンとにおいをかぎながら……。ってこら嗅ぐな。


「わかった、わかったから。とりあえず動きにくいから、な?」


そういって掴まれている手を離してもらうように言うと、逃げるなと言わんばかりに俺を見上げながら綾香が腕を組んでふんっとしている。


「んっ!まったく!お兄ちゃんとも遊びたいに決まってるでしょっ!」


紗季ちゃんも綾香がそういうと、うんうんと頷きながら掴んでいた手を離した。


「そっか、俺は……いや、俺が悪かったな。せっかく来たし一緒に楽しみたいから混ぜてもらうな。……というか日和ちゃんも、そんな嗅がれたら恥ずかしいから。ほら、離れる。」


「スンスン。わっ。あぁ~ん。日和のオアシスがぁ~。」


「ひよちゃん……ずるい…。」


紗季ちゃんがボソッとなんか言ってるが…まったく、自分の匂いを嗅がれるなんて中々に恥ずかしいんだぞ。


そんな様子を一歩離れて見ていた美里ちゃんが俺の方へと近づき、軽く口を手に当てながらクスリと笑った。


「ふふ。みんな涼真さんと遊ぶの楽しみにしてたので。…もちろん私もですよ。だから今日は一日振り回されてくださいね。」


「あはは…。お手柔らかにね。」



入る前からなんだかんだあったが、ようやく俺たちは入場ゲートを通ってチケットを交換し、最初のアトラクションへと向かうのだった。



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新章ゆったりとスタートです。


シスターズ、なかなかに個性強いのに、

何度も一人称間違えたりしました。


生暖かい目でみてください。


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僕は幼馴染に裏切られた。俺はもう自分を偽らない。 お狐丸 @yu_331

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