素材2 天界スタート

俺はトラックに轢かれた。「……えっ?」

そこで俺の意識は途切れた。

「うわぁ!?」

目が覚めると、そこは真っ白な空間だった。

(あれ?俺死んだはずじゃ……。)

「ようこそ!天界へ!」

目の前には白い服を着て天使のような羽が生えた女性が立っていた。

「あなたは死にました。ここは天国でも地獄でもないです。そして私は女神です!」……うん。まあそうだろうね。こんなところに来るなんてそれしかないよね。それにしても、天使みたいだなこの人。本当に女神なのか?

「えっと……。それで俺はどうなるんですか?」

「あなたを転生させます。」

転生って異世界とかに行くやつだよな。なんでそんなことをするんだろう?

「どうしてですか?」

「あなたは死ぬ直前に強く願ったじゃないですか。『もっと生きたい』って。だから私達の世界では死者の魂を管理しているのです。」……確かに思ったけどさぁ。まさかそれが理由だとは思わなかったよ。

「わかりました。それでどんな世界があるんですか?」

「はい!ありますよー。」…………。なんだろ。なんか適当になった気がするんだけど気のせいかな?まあいいか。それよりどんな世界があるのか聞こう。

「ちなみにどんな世界があるんですか?」

「はい!まず剣と魔法のファンタジー世界で魔物が存在していて魔王もいるような世界ですね。それと科学の代わりに魔法が発達していてモンスターもいますね。」

おお。いいじゃん。めっちゃ楽しそうだな。でもなんでいきなりそんな説明口調になってるんだ?まあいっか。それよりも俺の願いを叶えてくれたから感謝しないとな。

「ありがとうございます。とても楽しいそうな世界なので嬉しいです。」

「そうですか!よかったです!」……ん?なんか違和感を感じるぞ。まあいいや。とりあえず転生しよう。

「それで俺はどこの世界に生まれるんですか?」

「それは秘密ですよー。」

「なぜですか?」

「だって教えちゃうと面白くないじゃないですかー。」……もう突っ込まないでおこう。それより早く行きたいな。

「そろそろ時間ですね。頑張ってくださいねー。」……おっと、忘れるところだった。ちゃんとお礼言わないとな。

「あの……。いろいろありがとうございました。おかげで楽しく過ごせそうです。」

「いえいえー。こちらこそ楽しかったですよー。また来てくださいねー。」……最後に嫌味っぽいこと言われた気がするが気にしないでおこう。それより新しい人生楽しみだな!

「はい!必ず行きます!」

よし!行くか!

「行ってらっしゃーい。」……えっ?今の声は誰だ?

「ふぅー。やっと行ったわねー。」

そこには真っ黒なドレスを着た女性が立っていた。

「まったく……面倒くさかったわー。」

「ほんとよね」そこにいたのは黒い服の女性だけではなかった。そこには他にも人がたくさんいて、皆一様に同じような服を着ていた。

「じゃあ次は誰が行くかしら?」

「私はパスだな。あんなやつの相手は疲れたぜ。」

「あら。私は結構面白そうだと思うわよ。」

「でもあいつはただの人間だぞ。お前なら一瞬で終わるんじゃないか?」

「そうかもしれないけど、どうせすぐ死んじゃうじゃない。」

「それもそうか。じゃあ私が行こうか?」

「ええ、お願い。」

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