感覚がズレてる

「まあ、いいです。難しい話は関係ないですし。それより私ちょっとやらないといけないことあるんで席外しますね」




専門用語は理解しにくいですから、元々錬金術をやろうとしてましたし、落ち着いたって事で再開しようとします。




「あ、お取り込み中だったのか、悪いことしたかな」




二ーヴァさんは優雅に紅茶を飲んで悪びれもせずにそう言います。


魔法使いって全員こういう感じなんでしょうか。




「あー、いえ、錬金術を少し」


「なにっ、ティア、お前錬金術師だったのか!」




二ーヴァさんは錬金術という言葉に過剰な反応を示しました。


ガタッと音を立てて席を立つくらいには興奮状態です。




「い、いえ!違います!今日、今から初めてやるんです」




相手が勢いづいていると、ちょっと恐縮してしまいます。そのせいで余計な事も言ってしまいました。




「え、今からって、指南役もいないのに?」




二ーヴァさんは怪訝な顔で聞いてきます。




「はい、指南役ししょういなくなっちゃったんですもん。仕方ないですよね」


「感覚がズレてる」




二ーヴァさんが頭を抱え、椅子に座り直しました。何を思ったのか二ーヴァさんは私に付いて何かあったら守るからと言いました。




え、錬金術ってそんなに危険なんですか?

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