(二)-9

 長野の私立高校を卒業し都内の大学に進学した私は、音楽が好きだったので軽音学部というサークルに入った。楽器をほとんど習っていなかった私は、慣れない手つきでギターの練習をしていた。そのとき、色々と教えてくれたのが、彼、原冬真だった。

 彼も楽器初心者だった。しかし私たちはだんだんと音楽にのめりこんでいった。

 その後、彼と仲良くなった。告白したりされたりしたわけではなかったので、彼氏彼女の関係というわけではなかったものの、ライブを見に行ったり、学園祭で披露するために猛練習をしたりした。やがて、彼の所属するバンド「シャークマウス」に私も入り、活動することになった。


(続く)

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