港区-15

 フルチンズの取り調べを終えた三人。


 遊原巡査の提案で、外で夕飯を食べることになった。


 三人は一駅超えた先の有楽町でご飯を食べることにした。


 遊原巡査おすすめの牛丼チェーン店があるというのだ。


 燐は牛丼か。と内心少し不満ながらも奢ってくれるというので黙って付いて行くことにした。


 三人はテーブル席へと案内され、女子二人が並んで座り対面に男一人という図が出来上がった。


「牛丼、三つ。ご飯特盛で」


 遊原巡査は迷わず、メニューを注文した。


 いや、相談してよ。女子二人そう思ったが注文は通されてしまったので仕方なく受け入れた。


「でさ、あいつらの言うことどう思う?」

 牛丼が提供されるまでの間に事件の話を振る燐。


「遊びってやつ?」


「うん」


「俺は、本当なんじゃないかなって」


「祐希は本当に良い奴だよね」


「泉は違うの?」


「ラモちゃんはどう?」


「私は、信じられないに一票」


「私も」


 お前には自分の意見はないのか。そう言いたくなるのをグッと堪えて遊原巡査は提供された牛丼を食べ始める。


「頂きまぁ~す」


 女子二人は律儀に挨拶をしてから、箸をつける。


 回転率が命の牛丼屋で長話もするわけにはいかないので、特盛牛丼をさっさと平らげた三人。


 店を出て有楽町駅へ向かっていると、前方からスマホで撮影しているグループと出くわす。


 三人はカメラに映らないように顔を伏せて歩くが、演者の顔面タトゥー男が燐にぶつかった。


「痛ぁ~」燐はその場で尻餅をつく。


「ラモちゃん大丈夫?」


 燐を立たせようとする明野巡査。


「おい、謝れよ」


 遊原巡査が先を行こうとするタトゥー男の肩を掴む。


「あ?」


「日本語分かりますか?」


「んだと!?」


 タトゥー男は激情し、遊原巡査を殴る。


「フゥッ!!」

カメラマンの男が嬉しそうに遊原巡査にカメラを向ける。


「ちょっと! 何するんですか!」明野巡査が食ってかかる。


「悪者を成敗」タトゥー男は悪びれずそう答える。


「あら、そう。なの!」


 燐はタトゥー男の鳩尾目掛けてストレートキックをお見舞いする。


 まさか反撃にあうとは思ってなかったので、タトゥー男はもろに喰らいその場にへたり込む。


「ダサっ!」燐は憐れむような目で見る。


「何すんだ! てめぇ!!」


 タトゥー男は燐に平手打ちしようとするが、その手を取り思い切り投げ飛ばす。


 背負い投げが決まり、タトゥー男は地面に叩きつけられる。


「大丈夫か!」カメラマンが心配そうに声を掛けるが「うるせぇ!」の一言と同時に立ち上がり「絶対、許さねぇ!!」と今度は拳で燐をねじ伏せようとする。


「いい加減にしなさいっ!!」


 明野巡査が渾身のストレートパンチをタトゥー男の顎に入れた。


 軽い脳震盪を起こし、白眼を向いて倒れるタトゥー男。


「ひっひぃ!!」


 カメラマンは大慌てで逃げ出す。


「あ! 待てぇ!」


 燐は逃げるカメラマンを追いかけるのであった。

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