引導-25

「この度はありがとうございました」


 葛城唯奈の姉、幸香は長四郎に礼を述べて事務所を後にした。


 事件の結果は最悪な形となったが、妹を見つけ出せたことが勇逸の救いになったのではないか、長四郎はそう考えながら、幸香を見送った。


 そして、その入れ替わりで助手の羅猛燐が事務所を訪ねてきた。


「依頼人の人、なんだって言ってたの?」燐はそう尋ねた。


「ありがとうだってさ」


「ありがとう。か・・・・・・ 本当はそんな事、言われる感じじゃないのにね?」


「どうして、水を差すような事を言うのかね? 君は」


「えへへへ」


「それより、何しに来たの?」


「そうそう、新しい依頼を持ってきたの」


 ニコニコ笑顔で答える燐に長四郎は深いため息をつく。


「何? その感じ。嬉しくないの?」


「ああ、嬉しい、嬉しい」と心の籠ってない表現をする長四郎。


「迷惑なんでしょ?」


「そんな事は・・・・・・ ある」


「あるんかいっ!!」


「だって、お金にならない依頼ばっか持ってくるじゃん」


「何ですって。こっちは、生きる気力みたいなものあげてるんだから良いでしょ?」


「生きる気力ねぇ~」


「何よ。不服なの」


 これ以上言うと自分の身に危険が及ぶと判断した長四郎は首を横に振り否定する。


「じゃあ、決まりね」


「はい・・・・・・」元気のない返事をする長四郎に「もっと、シャキッと!!」と発破をかける。


「はいっ!!」


「宜しい。じゃ、行くよ!!!」


 こうして、また燐に連れられ事件を解決しに向かうのであった。


完


「探偵は女子高生と共にやって来る。」を読んで頂きありがとうございました。


今回で完結です。


約3年に渡り連載してきました。


ここまでこれたのも読者の皆様のお陰です。


次回作の「探楽~探偵稼業は楽じゃない~」にご期待ください。


もしかしたら、また熱海長四郎と羅猛燐の二人を書くことがあるかもしれません。


その時は宜しくお願い致します。


では、「探楽~探偵稼業は楽じゃない~」でお会いしましょう。



本当にありがとうございました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る