愛しい人を失ったどん底からの再生、この物語はその場面で幕を引いていると僕は読み取りました。

何度か差し込まれている幻の透子の描写や、主人公の心理描写、そのもがき自身を掻きむしるようなその様が、とても切なく哀しかったです。そして、人はどんな哀しみからも立ち直り、笑う事ができるようになる。この主人公の10年後20年後に思いを馳せて、その強さこそが人の尊さだと思いながら、それはやっぱり寂しくて悲しいなと思いました。

とてもいい作品でした。良いものを読ませて頂きまして、ありがとうございます。