食べてみた

 健康のために、えごま油とレモン汁をかけて食べてみた。


 健康を考えたはずなのに、オイリーな味だった。

 バターをたくさん入れたはずなのにサラダ油のような味がした。


 オリーブオイルがダメだったのか。

 豚肉が余計だったのか。

 せっかくえごま油をかけたのに。


 でもバターにオリーブオイルにえごま油って、どれだけ油を使っているのか?

 油、嫌いではない。ごくごく飲んだりはできない。けれど最近はオリーブオイルなら飲んでも良いと思っている。


 ……そういう妖怪がいたような気がする。化け猫か? あんどんの油を飲む。

 そうではなくて、この料理の味が問題なのである。


 いつも作る「きのこにバター醤油」を身体が求めていたのかもしれない。クリームフィットチーネな外見が期待感をいだかせてしまったのかもしれない。


 それらが入ってくると思っていたのに、油がさらさらな舞茸とナスの豚肉炒めが口から入って来たから体がびっくりしたのかもしれない。


 そもそも塩分が足りない。それがオイリーさを不快にしているのかもしれない。

 市販のめんつゆをあともう少し入れるべきだったのか。それとも市販のめんつゆではなく、醤油がよかったのではないか。


 でも、いつものきのこにバター醤油も実は醤油ではなく、市販のめんつゆを使っていて私好みの味になっている。


 シンプルイズベストなのか?

 「きのこにバター醬油」と「ナスとベーコンの炒め物」をまぜてしまったのがよくなかったのか。


 どちらか一方なら、きっと美味しかったはず。

 それよりもなにより、冷蔵庫にあった賞味期限がヤバい物を使ってしまったのがよくなかったのかもしれない。色が変だったし……。


 賞味期限が切れていてもとてつもなくおいしくなることもある。

 足し算にするべきだったのか、引き算にするべきだったのか。



 次は、豚肉はやめ、油は贅沢にバターだけにして、市販のめんつゆを1.5倍程度にしてみよう。そして、食材が最期に輝こうとしている時ではなく、もうすこし生命力にあふれている時にしてみよう。


 今回の炒め物は『最期の輝きを放つ舞茸とナスの炒め物改』と名付けたい。

 最期の輝きを放つ野菜は食べない方がいいかもしれない。


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最期の輝きを放つ舞茸とナスの炒め物 玄栖佳純 @casumi_cross

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