「美しいものばかりに力を与える」という発想から生まれる世界観は独創的で、一気に惹き込まれます。悪霊に依代とされた少女と、彼女を守るために戦う池浦望たち護衛の姿は、短い話ながらも濃密で印象に残りました。卑屈さと自覚を併せ持つ“ネガティブナルシスト”という望のキャラクター設定が斬新で、読んでいて思わず笑みがこぼれると同時に興味を掻き立てられます。たった4ページで終わるのが惜しいほどの完成度で、この先の物語をもっと読みたくなる一作です。