3話

バレンタインの翌日、僕は勇気を出して、昨日チョコを渡してくれたであろう鈴木さんに声をかけた。

LINEを交換して、放課後も一緒に帰れた。


正直、クラスで1番かわいいとは言えないが、友達になってみようと思った。


2人でいるところを見られたら、付き合ってると誤解されるかもしれない。でもそんなこと気にしていたら、春奈さんに近づけない。


友達はほとんど居ない僕だけど、バレンタインのチョコをきっかけに、この高校生活を楽しく謳歌できたらいいな。



帰宅して1時間ほど経つと、春奈さんからメッセージがきていた。


[今日は話してくれてありがとう、山口ゆうまくん]

[こちらこそありがとう]と入力して、送信すると、既読はすぐには付かなかった。

彼女もきっと暇ではないのだろう。僕よりは断然友達も多いだろうから他の人とやり取りしてるのかなと想像する。



気がつくと、課題をやりながら眠っていた。スマホを見ると、3件のメッセージ通知がきていた。


春奈さんからだ。


[質問があります]

[なんで私なんかに声かけてくれたんですか]

[私よりかわいい女の子はたくさんいるのに]



春奈さんから唐突な質問が送られてきた。女子的には可愛かったからと送信するのが正解なのだろうが、嘘はつきたくないので本心をそのまま言葉にして送った


[友達になりたいと思ったから]

[春奈さんこそ、なんで今まで面識のなかった僕にバレンタインチョコくれたの?]


すぐ既読がついて返信が来た。


[私のことを少しでもいいなって思ってほしかったからって言ったら変かな?]


なにそれかわいいかよ。僕はすぐに変じゃないよ、と送信した。そのあとはなんて言葉にすればいいのかわからなかった。



その日から1週間ほど春奈さんとメッセージをやり取りしたり、学校で話したりした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕たちの青春。 Sさん @uxpxrm

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ