Into the Shadow

ヘルニア

第1話 旅は再び

私は消えた、消滅した、、、はずだったのだが、どうやらチリになった後、またそのチリが集合し元に戻ったようだ。んな無茶な、、、

藤々陸の願いのとおり、世界は元に戻った。いや、あの時より良いものになっただろう。私はファンクの居場所を教える程度しか協力できなかったが、一応貢献は出来た。これで満足して、生を終えるつもりだった。

私は元の少女の姿で街中を歩いていた。その中で、時々ナンパ師やセールスの勧誘を受けたが、言うまでもなくそれらを全て払い除けた。私は一人で生きていく術を身につけなくてはならない。それには目的が必要だ。何か、目的が、、、

「あ!」

突然声をあげたので道ゆく人々は、一斉に私の方を見る。だが、すぐにまた元の方向へ向く。少し恥ずかしかった。

私はある案を思いついたのだ。それは、、、


会社を立ち上げることだ、、、!


私は反転虚構の調査のため、一から株式会社を作ることにした。この世界には私以外で反転虚構に行った者はいないようだ。なので、私は先駆者になるだろう。それには、まず資金が必要だ。なので、、、


「藤々、頼む!金を貸してくれ!」

「どうした、突然、、、?」

私は藤々幹のもとを訪れていた。

「世界の調査をしたいんだ。そのためにはお前たちの力が必要なんだ!」

「うーん、君は謎が多い存在だから、信憑性がないわけではないんだけど。それでもなぁ」

「どうしても、頼む!お願いだ、、、!」

「そうだな、それなら、私たちのためにメビル運用の手伝いをしてくれないか?ファンク国内や、諸外国でメビルが未だに数多く残っているからね。それに君にはファンクというメビルを作ったという実績もある。これこそ君にしか託せない任務だ。頼めるかな?」

「ああ、そんなことなら喜んで協力させてもらうよ」


私はメビル研究のため、テイルという国にいた。

「なあ、カレン。ここの回路はどこに繋げたらいい?」

私はそこでフランクリンという女性を助手に持った。過去に私が殺した人物というだけあって、最初は吐き気を催したが、しばらく時が経ちもうだいぶ慣れた。

「それはこっちに繋いでくれ、って言うかフランクならもう一人で出来るんじゃないか?」

「いや、まだまだ先生の助言は必要だな」

彼女はおどけて私のことを『先生』と言った。彼女は気さくで、私が着任した当時から話しかけたりしてくれている、名前通りフランクなやつだった。城々留無風に言うと、彼女とは既に友達の関係にあるのだろう。

「なあ、フランク。私の部下として働くのは嫌じゃないか?」

私はある日気になって彼女に聞いてみた。

「どうしたの、突然」

「だって、私はあんたより(見た目だけ)年下だし、素性も謎が多いし、、、」

すると彼女は

「そんなこと全然気にしてないよ!あんたは確かに不明なことも多い。だけど、メビル研究の腕は確かで、他の人にはない才能を持っている。それに手順はどうであれファンク崩壊の一助にもなった大物だもん。信頼するには十分過ぎるよ」

と返した。私は安心した、と同時に、もう『Devil the Shadow』を使わなくてもやっていけそうだと確信した。

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