5. 悪魔の1歩、
〜 次の日 〜
─ 教室 ─
莉子「あ、凛ちゃん、おはよう」
凛「おはよ」
莉子「凛ちゃんももう知ってるよね、大河くんの脱退のこと」
凛「うん、昨日のバレーの試合が終わった後スマホ開いて知ったよ」
莉子「……残念だよね」
凛「…うん」
野花「えっと、えーっと…り、凛ちゃん!!き、昨日の試合はど、どうだった?!」
凛「…負けたよ。あと、野花、無理しなくていいよ、無理して私たちの空気を明るくさせなくていいんだよ」
野花「…り、凛ちゃん……だ、って、クインズは5人でクインズなの…に、嫌だよ、大河くんの脱退なんて……嫌だよ…!!!!!!」
野花は耐えきれず泣き出してしまう。
凛「…野花」
野花「…もっと前から覚悟していれば…のんちゃんみたいに覚悟していれば…こんなに苦しむことはなかったかもしれない…情報垢を疑わず信じればよかった……」
莉子「……あのさ、情報垢のことなんだけど」
凛「うん」
莉子「私たちものんちゃんみたいに情報垢のこと調べてみない??」
野花「…え?」
莉子「私、実は昨日ちょっとだけ情報垢調べて少しだけ見ちゃったの。これからの活動内容が書かれていることもあるからいつ頃までにお金貯めておかなきゃいけないとかも分かるし…」
凛「けど情報垢は本当の情報ばかり書いてあるとは限らないよ」
莉子「凛ちゃんまだ信じてないの??のんちゃんが情報垢で得た隼人くんのドラマ出演の情報も大河くんの脱退情報も全部当たったんだよ」
凛「そうだけど…」
野花「…私も情報垢調べてみたい」
凛「え、野花まで?!ちょっと落ち着いてよ、たまたま当たったかもしれないし…」
莉子「そんなに詳しくは調べないよ、ちょっとだけ、ちょっとだけ一緒に調べてみようよ!」
凛「……ちょっとだけ…か」
野花「うんうん、ちょっとだけ調べてみよう。実は私ものんちゃんの言ってたことが当たった時からずっと情報垢のこと気になってたんだよね」
莉子「凛ちゃん!ちょっとだけ、ちょっとだけ調べてみようよ!!」
凛「んー…そこまで言うなら分かった。けど本当にちょっとだけよ」
野花「やったぁ!じゃあのんちゃんが挨拶活動終わって教室に帰ってきたら詳しく情報垢について教えてもらおう!」
莉子「うん!!」
凛(…情報垢なんて本当のことばかり書いてあるわけじゃないのに。私は、惑わされないんだから。私は絶対、クインズ本人たちからの言葉しか信じないんだから)
«続く»
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