第7話 2回目の夜
仕事から家に帰ると一通の葉書が届いていた。
会員制真夜中のクラブからであった。
次の夜会の招待状であったのだが、不思議なことに差出人は会員制真夜中のクラブとなっていた。
私は、このクラブには何か店の名前があるのだろうと思っていたのだが、どうも会員制真夜中のクラブ、これがこのクラブの名前らしいのだと思った。
指定された日の夜に、私は2回目の夜の、クラブの扉をノックした。
いつもの上品な老紳士が中へ招いてくれ、
「お早いお着きですね、まだ誰もいらしておりませんが、どうぞ円卓にお座りください」
そう言われて中央に置かれた丸テーブルの前に腰掛けると、老紳士に飲み物を尋ねられた。
暫くして私は、最初に頼んだビールを飲み干した後、カンパリソーダを頼んだ。
ホスト役の老紳士は、カンパリソーダを持ってくると、隣にフライドポテトを置いて、
「宜しければどうぞ」
と勧めてくれた。
私がゆっくりと、持ってきてくれたフライドポテトをつまみながらカンパリソーダを飲んでいると、老紳士と共に一人の男性が入ってきた。
前夜には現れなかった人物だと思う。
それからは順々に男性や女性が現れ、それぞれが談笑し、またあるものはビリヤードを楽しんだりしていたが、今夜は、あの時のチェスを楽しんでいた二人の老紳士達は現れなかった。
そして私達は、あの夜と同じように、ホスト役の老紳士に導かれてゾロゾロと別室へと移った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます