サーカス団で虐げられながら働く日々を送っていた身寄りのない少年・リシャール。
貴族の少年に気に入られたことをきっかけに、伯爵家の養子になることから運命は動き出します。
初めは兄弟になったアルウィンのためにルグラン家の「守り神」になろうと思うリシャールでしたが、次第に別の野望を抱くようになり……
冒頭のダークで重々しい雰囲気がとても好きで、どのように物語が進んでいくのか気になって読み始めました。
読み進めるほどに主人公のリシャールが葛藤し、内面も変化していく様子がリアルに描かれているので
話を追うごとに彼が間近にいて、一緒に葛藤しているような気持ちになっていきます。
まだ物語の途中ですが義兄弟のアルウィンが私には気になる存在で、彼が今後どこへ進んでいくのかも楽しみに読み進めていこうと思います。
『黒曜』は、孤児リシャールの成長を描く物語でありながら、単なる英雄譚にはとどまりません。リシャールの幼少期の過酷な日々、そして貴族社会という新たな檻への足音。その一歩一歩が、物語全体に重厚なリズムを与え、読む者を深淵へと誘います。召喚術や「十二支石」という壮大な要素が絡み合い、リシャールの心の葛藤がより鮮明に浮かび上がる描写は圧巻です。美しくも冷たく、まるで読む者を試すかのような空気に満ちています。
闇の中で静かに脈打つ「黒曜」の輝き。その光が何を照らし出すのか、そしてリシャールが見出す未来とは何か。残酷な運命の歯車に挑む彼の物語が、私たちの心に何を問いかけるのか――