第4話異世界とヒロイン

「ここはどこ?」

 気がつくと、よくわからない森の中で目が覚めた。

 本当にイケメンに転生したのか気になってしまった。

 これが俗に言う異世界と言うやつなのか。

 僕は異世界について昇から貸してもらったライトノベルしか見たことがなかったので少し感動した。

 もう一時間は歩いただろうか、未だ一向に森を抜けられる様子がない。

 すると、茂みの中から

『カサカサ』

 と言う音が聞こえる。すると、スライムが出てきた。スライムは僕の感覚上弱いと錯覚していた。僕は、勢いよくスライムにパンチをお見舞いした。しかし、思ったより効かなかったさらに、痛い。すると、スライムが体当たりをしてきた。想像したより痛い。僕は、異世界で生きていくのは大変なのかを実感した。

『今の僕では、スライムレベルでも倒すことができない。』

 そう感じた僕は、一目散に走り出した。

 30分は走っただろう。もうすぐ森を抜けるところまで来た。

 もうここまで来れば安心。そう思ったのも束の間、今度は、大きな狼が現れたのだ。

 異世界に転生して1時間。僕は、もう死んでしまうのか。そう感じた。でも僕は死にたくなかった。でも、どうする事も出来ない。

『終わった』

 そう心の中で思った瞬間、狼は雄叫びをあげながら、襲いかかってきた。

「助けて」

 と思わず叫んだ。

 すると、女性の影が現れたかと思うと

『ズバッ』

 狼が斬られる音がした。

「え。」

 バタと狼の死骸が目の前に落ちてきた。

 一瞬驚いたが、助かったことの安心感で僕はその場に倒れてしまった。


『大丈夫?大丈夫ですか〜?』


 微かに声がする。

 僕は、ハッとなり目を覚ました。

 すると、美しいエルフの女性が目に入った。

 エルフなんて、ラノベでしか見たことない。僕はその存在を目で見て、改めて、自分は異世界に来たんだと実感した。

「あの、大丈夫?」

 と心配そうな表情で見つめてくる。僕は、

「大丈夫です。さっきはありがとうございました。」

 と返した。

「いえいえ、困ったときはお互い様ですよ!」

 と優しい笑顔を見せながら言った。

 僕は、その笑顔が可愛くて思わず顔が赤くなった。

「あ、まだ名前言ってなかったね。」

 とエルフは言った。

「私の名前は、マナ!よろしくね!あとタメで良いから!」

 と元気よく言った。

 この世界にも「タメ」と言う言葉があるんだ。と驚いた。

「僕の名前は、、、、」

 と言いかけたが、転生してから何と名乗ればいいのだろう。

 前世と同じ、健太なのか、他の名前なのか、、、

「どうしたの?名前忘れたの?」

 とマナが聞いてくるので、

 僕は咄嗟に

「ケン」

 と答えてしまった。

「ケンね!覚えたわ。宜しくね!」

 まあ、立ち話もなんだし、この近くに私たちエルフが暮らす村があるのよ。良かったらこない?」

 とマナが提案してきたので、僕は

「いいよ。マナには助けられたし、その村に行ったらなんでもするよ!」

 とちょっと自信げに言った。

「よし!決まり!村まではもう少し歩いたとこにあるの。いい所だから。」

 と楽しそうに言った。それから、二人で歩き出した。


 これからどうなるのか、僕は期待と不安は五分五分だった。スライムに襲われて、狼にも襲われて、色々散々だったけど、可愛いエルフ『マナ』と出会うことが出来た。僕の異世界生活はまだ序章に過ぎない。そう感じた。






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普通の高校生がヒョンなことで異世界転生したら超絶イケメンだった。 藤山アンディー @yoru8181

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