第5話

まず最初に見たのは女性専用の掲示板だ。



様々なジャンルのトピックが並んでいる。



「オススメのプチプラコスメ教えて」

「今まで出会ったありえない男」

「アラサーの独身集まれ」



当人たちはもうアラサーか等と悲観しているのかもしれないが、アラサーの独身なんてまだまだ若いわ、これからどうにでもなる、とほんの数年前まではなかった自分の手の甲に出てきた、薄い小さなシミを見て思う。



シミ取りに行こうかな、けれどそんなことにお金を使うならハリがなくなってきた目元用のクリームを、いや、お金をたくさん稼いでそうなあの芸能人だって歳の割にはキレイだけど20代とは程遠い弛んだ頬が目立つようになってるんだから、遅かれ早かれ結局のところ老ける。



だったら将来のことを考えて貯金は少しでも多い方がいい。



そんなことを考えながらスマホの画面をスクロールしていたものだから、軽い気持ちで見られそうだと思って開いた「100均のオススメ品」というトピックの内容はあまり頭に入って来なかった。



そもそも、そんなに真剣に見るほどでもないけれど。



だったら真剣に見る価値のないものに有限な時間を割くなんてもったいない気がしなくもないが、この一見無意味な時間こそが今の私を保っている、活力になっているのだと、自分に言い聞かせるように私は画面に載っている文字や写真をぼんやり眺めた。

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