猫に、さようなら

二階の部屋にて

ぼうっと外を見ていたら

塀の上を黒猫が歩いていた

数日、観察をしていたら

猫の通り道になってたみたい

こんなことなら早く知りたかった

でも、空を見るのが癖だったから

気づかなくてしょうがないと思うの

言い訳だけど

黒猫は歩くだけ

尻尾を立てて歩いて行くだけ

器用に家々の狭間を縫って歩く

私も足が自由なら

そんな風に歩いてみたい

私がいつも見るだけなのは

足があまりよくないせい

声をかけたらいけないの

明日から来なくなったら

私の元気がなくなるの

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