令和四年目ですが世界が滅亡しそうです、に、さようなら

「ぶっちゃけ、明日にでも死んじゃいそうじゃね」

肉まんを食べながらお前が言うから

「今、流行ってんのは風邪みたな、からだろ」

黒豚まんと普通の豚まん

「いやいや、世の中は陰謀論で溢れているんです」

冷たい指先を温めてくれているのに

「なに? 明日になったらベッドの上で死んでんの?」

湯気が空に帰って行く

「かもしれない」


「かもしれないって、なんだよ」


仰々しく両手を空に伸ばしているけど

片手には肉まんがあるから、かっこつかない


「ばっかじゃねーの、俺が死んだらお前も死ぬ」

「そうだ。オレが死んだらお前も死んでいるはずだ

 しかしオレは新世界の神になれる男だからな、大丈夫だ」


今度は胸元で祈りながら、

片手には肉まんで、また一口食べやがった


「わけわかんねえな、もう」


一口食べる

二口食べる

笑い合う

俺には、こういう世界でいい

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