第1話への応援コメント
非常に丁寧に書かれた名作ですね。
生きるのはいつの時代でも大変です。
生きるのは大変…そんなの当り前の事だ。
そんなあり触れた教訓を悟る為に、
俺達は生きている。
教訓なんてもんはね、
文字なんかで読んだってわかるもんじゃない。
人生とは、ありふれた教訓を悟らせる為に、
途方もない難題をふっかける、
すこぶる厳格で、極めて合理的な教師なんだ。
大抵の奴は、これを知るだけの為に、
何十年とかかるのさ…。
作者からの返信
拙作へのご高覧及びご感想、どうもありがとうございます。
マグリット王妃夫妻以外は架空の人物(ただ、主人公のジャンに関しては『エプタメロン』に収録されたエピソードが基になっています)ですが、彼らに生命を感じていただけたのなら幸いです。
第1話への応援コメント
自主企画「イメージカラーが橙色・黄色の作品」で拝読しました。
エプタメロンの時代にリアリズム小説などはもちろんなかったわけですが、今流行りの「別時間軸転生」で強引に中世期の文学思潮を改変したとしたら 笑、あるいはナヴァル王妃もこのような私小説めいた短編を、嬉々としてものしたかも知れない、などと妄想しました。
大枠だけ見ると、「薄幸なる若者の美しき死」というくくり方になってしまいそうですが、個々のシーンの描写が、五感を総動員した実に豊かな筆致で、ひたすらに深いです。正直、あと一ヶ月経ったら、小説を読んだのか映画を見たのか、正確に思い出せなくなりそうです。
おそらくは歴史上の記録に残るだけの無名音楽家の人生も、このようなさまざまな煩悩とささやかな喜びが織り込まれた、はかなくも彩り豊かなものだったのでしょう。あるいは、そんな風に想像すること自体、物書き趣味人の自己満足かも知れませんが。
三つほど、申し上げます。
終盤、主人公が自死を決意する場面の文章、
>死のう。
>何の感動も悲壮感もなくそう思う
>った。
となってまして、これは「そう思った」の修正ミスかと。
あと、文中に「オーボエ」という楽器名が出てきます。これはいささか重箱的な指摘で恐縮ですが、この時代の、いわゆるルネサンス期の楽器であれば、「ショーム」もしくはその類縁の楽器名を用いる方が、歴史小説としてはふさわしいと感じました。もちろん、一般読者向けのわかりやすさ優先であれば、オーボエで結構だと思います。
さらにもう一点だけ。「*****」の区切りがついた箇所では、前後に一行か二行の空きを入れた方が、読む方としては心理的に一息入れられて、楽に読めた気がします。これはあくまで私観ですけれども。
古いタイプの総天然色歴史映画を大画面で堪能した気分を味わいました。ありがとうございました。
作者からの返信
拙作へのご高覧及びコメントどうもありがとうございました。
丁寧な読み込みに敬服します。
ご指摘を受けた箇所は修正しました。
オーボエとショームについては単純に私が無知なため古いオーボエ的な楽器を記号的に「オーボエ」と表記していました。
そもそもリュカは最初の構想にはいなかった人物で、主人公のリュートと競合しない楽器の奏者として想定して造形したのでその辺りは甘かったですね。
繰り返しになりますが、どうもありがとうございました。