第12話 ヤングケアラー相談会を、学校でやってみれば、良いのにね。会社でも…。たくさんの場で、相談の機会を作っていこうじゃないか。

 立ち上がれた子は、本当に、良かったよ。

 「児童相談所っていうところとかにもいって、専門家の人に相談したら、何とかなってきた。知らない人にも、聞いてみるもんだな」

 はにかんだ、ある子。

 「ハナさんと話してみて、勇気が出た」

 「それは、なにより!」

 「うん」

 「今まで、不登校続きで、友達もできないし、最悪だったんでしょう?」

 「うん」

 「不登校じゃあ、まわりとつながれない。だから、悩みを、わかってもらえなかったんでしょ?」

 「うん」

 「…でも、ここにきて、変われた?」

 「うん!」

 「良かった…」

 「おれたち、おなじ、ヤングケアラーだものな!」

 いくつもの問題点が、見えてきた。

 「家族を支えるのなんて、当たり前」

 そういう、教科書的な気持ちが、危なかったりする。

 「教科書に書いてあることは、正しい」

 「学校の先生の言うことは、正しい」

 「ネット上の情報は、正しい」

 それって、思い込み。

 マニュアル暗記の世代だからこそ、家族介護の呪文から、抜け出せない。

 「そんなことなら、逃げちゃえば良い。さすがにそれが無責任だというのなら、誰かに頼って、あなたは、あなたのやるべきことをやれば良い」

 そう言えるだけの、または、言ってもらえるだけの自信をもちたい。

 先ほどは、相談の場を会社内に作るべきだと、考えられた。それなら、学校内に作っても、良いかもね。

 教育の機会を失って悩んでいる子たち、たくさんのストレスを抱え、自身の生き方にすら、否定的になっている子たちを、早く、見つけてあげたい。

 学校の先生にも、優秀な人くらいいるでしょ。

 使っちゃえ。

 「え?俺たち学校の先生は、忙しいんだぞ?」

 そんなのは、わかっているよ。

 お前らは、公務員だ。

 人のためを思って、やりなさい。

 文句を言うなら、他人の税金でモノを食うような生活は、やめて。

 だから、民間に、嫌われちゃうんだよ。

 マキハタヤマハナのように、小学生や中学生と比較的年代が重なる子、気持ちの通じ合えそうな子を学校に招いてみても、良いかもね。

 「ヤングケアラー相談会」

 まずは、学校でやってみれば良いのにね?





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