第4話 初配信にオド〇☆ココロが(お風呂鼻歌を勝手にUPされてました)

「ふ、ふぐっ……で、では軽く自己紹介をす、するぞ? 

まずは妾の種族であるが一応『天使』である。

 しかし、そのまぁ、なんだ……か、かか可愛すぎて神に堕天させられたといぅ……やめろやめろやめろ! かわいいを連呼するな神に同意するなぁ!」


 すんすんと鼻をすすりながら何とか設定を言ったら……すごい勢いで神の賛同者が増えてる⁉ 

 あぅ~~~~頬がにやけるぅううううはずかしうれしぃぃいいあああああ!

 

 赤くなった頬をつねって、話題を軌道修正。

 カンペに書かれた設定を横見しながら、自分の言葉で言い直していく。


「そんな訳で堕天使になった妾だがな? 

 天界から落とされた時に……一軒家を潰してしまってな? 

 それで今はその家、宵月家に居候しておるのじゃ。

 堕天の弁償代としてバイトに明け暮れておった所、ヘブンズライブと出逢えたという訳じゃ」


[ コメント ] 

・堕天が思ったより物理!

・踏み潰してしまったか……

・堕天使さぁーん、どうしてそんなに大きくなっちゃったんですかぁ?


「真面目にやってきたから……じゃないよ! そんなにおっきくもないよ!」


[ コメント ]

・体重何キロ?

・一軒家の破壊規模からエネルギー規模特定して、堕天速度が分かればワンチャン計算できる? E=mc2の法則。人ひとり分の質量で被害が一つの家屋限定だから堕天速度はそんなでもなさげだけど(以下略)

 

「まってまってまって⁉ すごいインテリいた今⁉ すごい論理的に妾の体重計算しようとしてた⁉ ていうか堕天速度ってなに⁉」


 あれ? なんだか――――私、上手く配信やれてる? 

 だってなんだかんだ20分くらいずっと喋れてる。クラスメイト相手だったら1分も間が持たないのに。 


 あれちょっと嬉し…… 

 

[ コメント ]

・鼻歌動画から来ました! 可愛いかったです!

・寝息最高!

・声出し動画にしては、めちゃめちゃ沢山投稿してますね。これからも応援してます

・お風呂の水音+鼻歌カワイすぎ

・ふにゃふにゃ寝言言ってるあの動画、実質ASMR


「――――え? なにそれ知らない」


[ コメント ]

・知らない⁉

・なんで⁉

・草www


「え、え、え? お風呂? 寝息? は、はなう――――はっはっはっはっはっはっ」


 胸騒ぎが激し過ぎて過呼吸になる。

 生い茂るコメント欄を無視して、速攻YUTUBEのチャンネルを確かめた。

 あった。ショート動画が……30本近く。


「どゆことどゆことどゆこと⁉ まって知らない! 私こんなの知らないよ⁉」


 い、いやまだだよ。再生してみたら全然関係ない内容かもしれない!

 カチッ。



『へいじょーい、ふんふふん、ふんふんふん♪ いっじょーぃん♪ ふふん、ふふふふんウッ!』



「いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」 


 ちゃぱちゃぱと湯舟でリズムを取りながら、私の鼻歌はご機嫌に心躍らせていた。


[ コメント ] 

・ウッ☆

・カワイイ過ぎるwwww

・私呼び、助かる

・ウッ☆

・Wo☆

・心オドッテんねぇ!

・お風呂のちゃぱちゃぱが妄想掻き立てるぅ!


「あぁあぁあ……あ、あ、あ、あ」 


 ぴくぴくと突っ伏した体が震える。なんで……なんでなんでどうして。

 一体誰が――――後ろを振り返る。

 カンペを持った伽夜ちゃんがニコニコ笑顔で舌を出していた。


「ちょと、ちょっと一旦ミュートするぞ。すまなんだな眷属達。ちょっと……話つけに行ってくるわ」


[ コメント ]

・消えたwww

・ガチトラブルやんけ

・本人じゃないなら誰なんだ?

・え、普通に歌声可愛くない? 

・上手くはないけど好きなんだな~って伝わってくる

・これは歌枠が楽しみだぁ


 ――温かいなぁ、眷属のみんなは本当に温かいなぁ……っ! 

 だからこそ配信裏こんなすがた見せられないなぁ〜〜〜。


「はぃぃ! あたひはぁ! おねいちゃの生活音録音しへぇ! 勝手にupしまひたぁぁーーーーんあひぃぃいぃやめっ! もうやめっ、アッーーーー‼︎‼︎‼︎」 


 妹泣かしてるとこは見せられないなぁ〜〜〜。

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