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 ジェニファーと違い、魔法など使えないレオは、赤ん坊の振りをしているだけだったが、肉体の可能性を限界まで高めているため、少しだけ体を縮ませることに成功し、筋肉の量も最小にして、出来るだけ身体を幼い状態にしてあった。

「あ、赤ん坊!?」

 驚きつつも、少し動揺してしまうジェニファー。実は彼女は、三日前に子どもが出来たばかりだった。この世界では赤ん坊は、最初からお姉さんやショタの姿で生まれてくるが、生まれてから三日では、まだ赤ん坊の状態で、今のレオのように何かあれば泣いてしまう。

 ジェニファーは「あなたのシチュエーションに乗っかってあげるわ! 赤ん坊なんて何も出来ないんですもの! 自分が設定したシチュエーションで消滅するがいいわ!」と思いつつ、レオの側に近づいて“母親キャラ”になりきって優しく触れる。

「あらら~。どうしたのかしら? あら、怪我してるのね。これは大変ね。でも大丈夫よ、ママが魔法で治してあげるからね。『おねヒール』! これでもう大丈夫よ」

 さすが四天王、当たり前のように治癒魔法を無詠唱で唱えたジェニファーが患部にかざした手は白く輝きだし、その光がレオの手を包み込む。光が消えた時には、レオの手の傷は無くなっていた。

「おぎゃあ~。おぎゃあ~……ばぶ!?」

 痛みがなくなったことに気付く赤ちゃんレオ。

「きゃっきゃっ!」

 赤ちゃんレオは喜んで笑顔になっていた。

「良かったわ。ん?」

 ジェニファーがホッとすると、今度は赤ちゃんレオが指をしゃぶっていて、しばらくするとまた泣き出した。

「おぎゃあ~。おぎゃあ~」

「あら? お腹が減ったのかしら? じゃあ、おっぱいをあげましょうね」

 そう言うと、ジェニファーは「フフフ、ショタ国のまだ年端も行かない王子だし、女の胸なんて見たこともないでしょ? さぁ、心行くまでドキドキしなさい!」と思いつつ、赤ちゃんレオの身体を抱えて、胸を出した。

 赤ちゃんレオの顔を見つつ、「どう? これが女の胸よ! ドキドキするでしょう?」と、慈愛に満ちた母親の顔の裏で相手を煽るジェニファー。

 そしてそのまま、ジェニファーは赤ちゃんレオにおっぱいを吸わせ始めた。

 赤ちゃんレオは、目を閉じてゴクゴクと美味しそうに飲んでいる。

 ジェニファーは、「女の胸に触れるのも初めてでしょ? それどころか唇で触れるなんて、どれだけの刺激かしら? さぁ、ドキドキしなさい!」と思いながら、赤ちゃんレオを見つめる。

 しかし、無邪気に、無防備に、母親に全てを委ねて、一心に母乳を飲む赤ちゃんレオを見ている内に、ジェニファーの心に変化が生じ始めた。

 懸命に乳首に吸い付き、目を閉じてゴクゴクと美味しそうに母乳を飲み続ける赤ちゃんレオ。

 それを見て、思わず、戦いの最中だということも相手が敵だということも忘れて、とても温かくて幸せな気持ちになってしまうジェニファー。

 そして赤ちゃんレオは、お腹一杯になったのか、顔を上げてジェニファーの顔を見て、

 ニコッ

 と満面の笑みを浮かべた。

 それを見た瞬間、思わず自分の本当の子どものように感じて、ジェニファーは「キュン」としてしまった。

 身体が輝き出し、足元から消え始めるジェニファー。

「しっ、しまった!」

 思わぬ失態に悔しそうな表情を浮かべるジェニファー。

 レオはジェニファーの身体が輝き出したことと、足元から消滅し始めたのを確認してから、赤ん坊の演技を止めて、服を脱いで背中の傷を見せた。

「え……!? 何!? その傷……!?」

 そのおかげでジェニファーは驚き、身体の消滅が途中で止まった。

「どういうこと!? 情けでも掛けてるつもり!?」

 そう言うジェニファーに対して、

「お姉ちゃんが、自分の赤ちゃんのことを大事に思ってるのがすごく伝わって来たよ。赤ちゃんのこと、大事にしてね!」

 そう言って微笑むと、レオは去って行った。

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