女王さま

とある国の

とある女王さまの話


村娘が憎くて

彼女の恋人を寝取ってしまいました


普通に生きている村娘が憎い

愛し合っている二人が憎い

私は、どこぞとも知らぬ隣の国の男を


女王さまは味をしめ

様々な、国中の恋人たちの仲を裂きました

隣の国の男もやってきて

女王さまの周りは元がつくものばかり

新しいのは隣の国の男のみ


王になった男は何度も何度も女王さまに言います

「もう、おやめなさい」

「もう、充分でしょう」

女王さまはうつむき

「まだまだ、だめよ」

「しあわせを見たくないわ、しあわせそうなのをみたくないわ」

首を横に振りました

「いまは、どうですか? しあわせではないのですか?」

王の言葉に、女王は悲しげな顔をしました

「わからないわ、わからないの」

「わたしは国の為に、なんの為にいたのかしら

 しあわせになりたかった? いいえ、自由になりたかったの」

国の未来を思うと女王さまは苦しく、大臣たちの声も使用人たちの声も

悪いことに聞こえてしょうがなかったのです

だから、目の前の本当こいに嫉妬してしまった

「彼ら、彼女らを『元』の場所に返しましょう

 そして私と最初から、最初から、おつきあいしてはくれませんか」

王こと王子は、昔々のパーティで見た王女さまに恋をしていたのです

そうして年月が経った時、隣の国の王と王妃が亡くなり、王女だけになったと聞いたのです

すぐさま結婚を申し込みましたが王女さまは「国を護りたい」と願い、

どこかへ嫁ぐこともなく政をこなしていたのです

王子は王女さまの心にうたれ、自分も相応しあろうと努力しました

しかし、聞こえてきたことは王女さまの荒々しさ


次に続きます

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