死が二人を分かつまで……あまりに早く、瑞々しい瞬間に、それが訪れたとしたら。
本作は、そんな心の彷徨う主人公アキノの前に、亡くした恋人と同じ名前、うりふたつの容貌、ちょっとだけ明るくて調子の良いハルトが現れることで始まります。
冥界の王ハーさん(ハーデース)をお手伝いしたら特別な機会をもらったと冗談のように言うハルト、二人しか知らない約束を言葉にするハルト……アキノも徐々に、この現実と夢が交錯した出逢いを受け入れます。
そして約束のキーワードになる偕老同穴の故事と、深海生物の神秘的なイメージが、二人の関係性と物語の結末を繊細に彩ります。
一方で、「微ホラー」タグの由縁となるラスト数行の匂わせも、ハーさん出典のギリシャ神話的で素敵なエスプリを効かせてくれています!