友情
独りぼっちの狼が
優しい羊に会った時
なんとも言えぬ気持ちになった
独りだから同族も誰も言葉をかけてくれない
しかし羊は違った
孤高の彼に話をかけて話し始めたのだ
今までの人生のこと、昨日あったこと
明日にしたいこと
そうして、一緒に居ないか、と狼に言う
大層、狼は喜んだ
喰われてしまうと羊にアドバイスした羊を傷つけるほど
狼と仲良くしている羊だ、とバカにした狼も
友達を傷つけるモノは格上でも許さなかった
羊は、どんどん狼が怖くなったけれども
必死の狼を見ていると心が乱れた
その二匹は、そのうちいなくなった
どこに行ったか誰も知らない
でも誰も知ろうとしなかった
二匹はずっと二匹であると分かっていたから
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