ホスピタルエピソード
大きな病院ではアルコール臭い
小さな病院では空気が濁っている
どちらとも検査室を行ったり来たりして
疲れた思い出があった
けれども、最後の検査室で
「疲れたでしょう、これで最後ですから」と
苦笑していた医者を思い出す
不精者の末路だというに
まあ、笑いますよね
あーだこーだと質疑応答して
最後の一言は「また予約して来て下さい」だ
そりゃ検査したんなら結果を見ないといけない
気が遠くなる
またアルコールを嗅がないといけないとか
そういえば小さい方は扇風機回してたとか
小さい子から老人までいたな、とか
どうでもいいことを覚えている
結果は平気だったはず
生きているのが、その証だ
ホスピタルエピソード
しかし、死人は見た
この目で確かと見た
毎回、ここがそういう場所なのだと思い知る
生死が別れる場所だと知ると
頭の中がカラになるんだ
一人で逝った人と沢山の人に見守られた人
いいとか悪いとか考えないよう
目の前に「死」があるというだけに集中する
後悔と悲嘆は、あとでいい
病院では疲れて治療して話を聞く
それだけの場所だと思い込まなければ
そこを思い出にしてはいけない
ホスピタルエピソード
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