休息と好奇心の綱引き

朝から風雨が激しく、一度起き出してみたものの外に出る気がしなくなって、二度寝していた。さすがにそれだけじゃなあ、と思って、午後は近所のカフェに出かけて、ぼけっとしてみることにした。今週はあんまりぼーっとする時間がなかったような気がしていたので、気分転換のつもりだった。


それが、最近なんとなくInstagramとThreadsを見ていたので、「それっぽい」写真を撮ってみたくなってしまった。結果としていわゆる「インスタ映え」のする写真を撮ってみたり、短い動画をつないでアップロードしてみたりして、SNS三昧の時間を過ごすことになってしまった。


月1回程度通っているイヤーバランスセラピーではいろいろなことを話すのだが、そこでだいたい話題になるのは「SNSは疲れてしまう」という話題だ。それはSNSを知らないからではなく、セラピストの人も自分も、SNSをめちゃくちゃ見ている期間があったからこその言葉である。SNSの功罪についてはよく語られるが、単純に「人に向かっている」ツールなので、接触すると疲れてしまうのだと思う。


安らぎやくつろぎの目的で行ったカフェで、結局せわしくスマートフォンをいじって、SNSにアップするための写真を研究するというのは、私にとってはとても面白いことで、精神面にはプラスではあるが、どこか別の面で気力を使ってしまっているような気がしている。プラスマイナスゼロ、いってこい、という感じだろうか。


さらについでに、自宅へ帰る途中で書店によって、ZINEと文庫本を買ってしまった。こうなると情報摂取のバランスがちょっとおかしくなっているという自覚が芽生えてくる。重ね重ね、自分にとって面白いことではあるのだが、平日の疲れを取るための休日の過ごし方としてはやや刺激が強すぎるように観じている。


「平日の疲れを休日に取りたい」というのが当初の目的だったはずなのだが、その一方で、趣味や打ち込めることに時間を使いたいという欲求とも戦っている。何しろ人生が仮に100年あるとしても、健康で過ごせるのはせいぜいあと10〜20年くらいなものだろう。


それを踏まえると、SNSだろうが写真だろうが本だろうが、休息と同じくらい自分の精神をリフレッシュするものとしてうまく使えるようにするのがいいと思ってはいるのだが……50歳まで1ヶ月を切っている今もなお、「不惑」の域を脱することができていない。

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