第五十一話 城の中へ

「到着しました」


「ふむ、デカいな」


 正面にあるのは、あの巨大なイルカが口を広げたようなトゲトゲしい暗い入り口。

 私達は無事? ポセイドンの娘がいるという城に着いた。

 そう城だ。ちなみに入り口の左右には元黒い魚人間だっただろう手足が4000個近く散らばっているが無視してほしい。

 今思い返せばここに来るまで多くの敵? が襲ってきた。

 変なドクロを筆頭に、頭が七つある赤いトカゲ、黒い魚人間20匹、緑のツノ生えたライオン、黒い魚人間50匹、ツノと羽の生えた武器持ちの黄金人間、陸を泳ぐ巨大なイルカ、ただただデカい三つ目の人間、黒い魚人間100匹……。

 ペンドラゴン曰く、この島はラストダンジョンの入り口だから危険なモンスターしか出ないとの事だが……危険なモンスター? はて?


「雑魚ばかりだったな」


「何かおっしゃいましたか?」


「なんでもない、それよりイヤリス大尉は大丈夫か?」


「ぴぃっ!!」


「……大丈夫そうではないな」


 城に到着し、入り口を目の当たりにして一言「怖いでしゅ!」と涙目のイヤリス大尉。そんなに怖いかなぁ。

 なんならあの入り口のトゲトゲ消してやろうか?

 と思っていたその時、入り口の中から話しかけるように声が聞こえてきた。


『デデデ、ガーディアンズの諸君よく来たデ』


「「「!?」」」


 ちょっとガラガラ気味だがどこか幼いその声は続けて。


『デデデ、そう驚かなくてもいいデ、お前達がここに来ることは『ロデー』ずっと前から監視していたデ』


「ロデー貴様、俺の妹や仲間達はどうした!!」


『デデデ、罠とかないから早く中に入るデ』


「無視するな! 答えろロデー!」


『デデデ、楽しみに待ってるデ』


「ロデーーーーー!!」


 そこで『ロデー』とかいう奴の話は途切れる。

 ペンドラゴンは終始無視され、怒りのあまり入り口の壁を殴っていた。拳から血が流れているが痛くないのだろうか。


「痛つつ」


 痛いようだ。

 まあそれは自業自得だからしょうがないが、それより。


「さっきのがポセイドンの娘って奴か?」


「はい、今の声がポセイドンの娘『ロデー』です」


「ロデー。強いのか?」


「はい、話してませんでしたが、妹を助ける為に俺と同じSランクハンター4人で戦いましたが、全く歯が立たず……」


「そうか」


「俺が悪いんです。俺が妹を助けたいばかり仲間達に無茶をさせてしまって、そのせいで仲間達が……」


 涙を流すペンドラゴン。きっといろいろ辛い事があったのだろう。

 だがまあ。

 私はペンドラゴンの肩を叩く。


「私があのロデーとかいう奴を倒してやる。だから泣くな」


「ぐすっ、ありがとう、ございます。

 ……もう大丈夫です」


 私の言葉に励まされ、涙を拭くペンドラゴン。うむうむ、泣くペンドラゴンなど可愛くもなんともないからな、泣き止んでよかったよかった。

 そんな風に思っているなど知らないペンドラゴンは、入り口の中に一人で入っていく。


「行きましょう、ロデーを倒しに」


「ああ、ほらイヤリス大尉も行くぞ」


「ぴぃぃっ!」


 怖くて後ろを振り向くイヤリス大尉。

 可愛い。でもこのままじゃ入ってくれないだろう。


「…………しょうがないなぁ」


 私は大地を蹴った。


「えい」


 ボッ。


 入り口を殴り、トゲトゲしい部分を消していく。


 2分後。

 

 トゲトゲしさ皆無のまん丸い入り口が完成した。

 私はイヤリス大尉の頭を撫でながら、トンネルと化した入り口を見せる。


「どうだ、これなら平気だろ」


「え…………は、はい! ありがとうございましゅ!」


 満面の笑みで私と目を合わすイヤリス大尉。可愛い。ぎゅっとしたい。

 ……しようか。

 気がつけば私は、イヤリス大尉をお姫様抱っこしていた。

 いい匂いがする。とても柔らかい。最高だ!


「ふわっ! な、ななななななななっ!」


「よしいくぞ」


「ふぇっ!」


 イヤリス大尉を抱き抱えたまま城の中に入る。

 待ってろよロデー、今の私なら誰にも負けない!

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