駐車場の女帝
まるは私の妻である
まるは駐車場にいつもいる
舌を鳴らしてまるを呼ぶ
まるはすぐにやって来る
車輪止めに腰掛けて
あぐらをかくとまるが乗る
まるは温かい
まるはふみふみする
爪がふとももに刺さって痛い
私は痛いけど我慢する
まるが前足をそろえて座り
上目がちに私を見る
まると目が合う
トキメキの瞬間
私は思わず鼻を突き出す
まるが鼻を寄せて来る
たまらないキス
しかし私とまるの逢瀬は
ねこおじがやって来て終わりを告げる
ねこおじはまるにご飯をくれる
ねこおじはまるが好き
私はそそくさとその場を離れる
まるは追ってくる
ねこおじがじーっとまるを見ている
まるは国境を知っている
そこでまるは立ち止まり、ちょこんと座ってこっちを見ている
まるのシルエットが遠ざかる
まるはいつも駐車場にいる
晴れの日も雨の日も
夏の日も冬の夜も
風吹く日も
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