幼馴染みの男性は、酔うと暴力を振るう父親と病弱な母親の面倒を見ることに、人生を費やした。
その無理が祟り、全てが終わった頃に自分自身が病に倒れることとなる。
人生のピークにぽっかりとした穴が空いた彼は、空虚のままに生き、そして死んだ。
しかし、残酷な苦界が、彼を見放すことはなく……
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読んでて気が重くなった。
別に悪いわけではない。ただ、ほんの少し扱いに困る……
この距離感というか、余所余所しさがまた、寂しさを誘う。
突飛な話や背景があるわけではなく、ひたすら現実に寄り添った結果、救いようのない話となっている。
とても社会的なホラー作品。