第29話VTuber準備編 3
俺は菜璃と一緒にUNの事務所に行く。すると、Mickeyがいつもしないような笑顔で元気よく対応してくれた。俺はそれに恐怖を感じていたがMickeyから出された家の資料を見ると口が空いたまま塞がらなかった。
「えっと……なにこれ?」
「俺が用意したお前の家」
「……マンションの最上階とか一軒家があるんだが?しかもガッツリ都内だし。お前俺に何させる気?お兄さん今から怖いよ?」
そう、Mickeyが出した資料には都心にあるマンションの最上階の部屋やどこの城?ってくらいの豪邸から普通の一軒家といっても都内のまぁまぁ良いところにある家の資料まで様々なものがあった。
「これから長い付き合いになるだろうからね。今度は逃さねぇぞ♡アークアくんっ♡」
……怖いィィ。え?何?男の逃さねぇぞ♡とか需要一切ねぇぞ?菜璃とか横でニッコニコなんだが。助けてくれませんかね。これでも私あなたの彼氏よ?
「はぁ……えっと、おすすめは?」
「俺的にはその一軒家だな。お前どうせマンションとか住んでもずっと部屋にいるだけでジムとかプールとか行かねぇだろ?そして、夜景とか興味なさそうだし……。それならこの一軒家にしたら後々子供ができても楽だぞ」
「友人から子供で来た場合の想定されるのめちゃくちゃ嫌なんだが……んーまぁ、探していただきありがとうございます。俺はどっちでもいいわ。菜璃は?」
俺は同居人となる菜璃に意見を聞く。
「え?私は一軒家の方が良いと思うな。実家が一軒家でマンションってなんか怖いんだよね」
すると菜璃は子供の件には一切触れず自分の意見を答えてくれた。
「了解。Mickey一軒家でお願い」
「わかった。じゃあ、ここな。優勝商品+入社祝いとしてテレビとか家電も全部送ってやるから楽しみにしとけ」
「は?マジすかMickeyさんマジ優しィィ!!」
「えっ、えっとMickeyくん本当にありがとう」
俺と菜璃は大変素晴らしい心をお持ちのMickey様に感謝を伝える。
「全然。で、魔導協会っていうかVtuberについての契約やるか」
「あー了解。印鑑とか持ってきたから大丈夫よ」
「私も一応持ってきました」
そして、俺たちは本題とも言っていい仕事の話に移る。
「まぁ、二人は成人してるから親の許可とかいらないからこれ読んで判子とサインよろしく。契約内容軽く説明しようか?」
「一応頼む」
「おし。じゃあ、綾間さんも説明するからね。まずは空愛についての契約だが月150万が会社から給料として支払われる。動画の視聴回数による収入は20%魔導協会事務所に、UNについてはなし。スパチャも20%を魔導協会事務所に、UNについてはなし。ただ、UNの呼び出し。まぁ、簡単に言うと世界大会メンバーへの軽いコーチング、練習相手、イベントへの出演に応答するって事だな。因みに応じたらボーナスがでる」
「めちゃくちゃ高待遇じゃないすか」
月150万で動画の広告収入までしっかりあるってスゲェな。案件とかどういう扱いなんだろうか?
「ありがたいことに今はスポンサーが多くて子会社も居るからVtuber事業についてそこまでの金は求めてないのよね。まぁ、成功したらしたで嬉しいんだけど」
「ぶっちゃけたな……そういえば歌ってみたとか3D配信については?あと、案件」
「歌ってみた系は事務所を通してできる人に依頼って感じなんだがイオリンが来てくれたから大体イオリンにお願いすることになるだろうな。まぁ、依頼者……つまり配信者側が金を出す事になるが多少事務所が助けてくれる事もある。誕生日とか一周年記念で事務所が助けるって事だな。案件はボーナスとして少し引いた分を支給」
「(ΦωΦ)ホウホウ。菜璃さんの方は?」
「空愛居るけど話していいですか?」
Mickeyはこちらをチラッチラッとうざったらしく見ながら菜璃に確認を取る。その小芝居なんやねん……てか、普通自分の仕事の話とか他人に聞かれたくないよな。
「あっ、全然大丈夫です。私も空愛の契約聞いたので」
「よし、じゃあ綾間さんの契約なんですが月45万が会社からの給料。視聴回数による収入の20%を魔導協会に。スパチャも20%を魔導協会に。あっ、空愛もだがボイスとグッズについても20%を魔導協会にって感じだ。因みにさっき空愛に言った歌ってみた系と案件については綾間さんにも適応される」
「分かりました」
「良し。じゃあ、またなんかあったら言ってくれると嬉しい。そういえばマネージャーに付いてだが第3部隊全員のマネージャーとして1人付くから楽しみにしといてくれ。あっ、空愛はマネージャーに頼りすぎるなよ。昔自分でマネージャーみたいな事してただろ」
「いや、それマネージャーいないってことだから。まぁ、どうせお前とか世界一メンバーとか直接俺に連絡入れてくるだろうから良いよ」
「一応外部とのコラボの時は俺に連絡しろよ?UNと魔導協会以外の時は。あっ、綾間さんも空愛かマネージャーに連絡してくれると助かる」
「あっ、分かりました」
「俺もしかして隊員全員の予定把握しないとまずい感じ?」
「まずいからマネージャーと日々連絡しあってくれ。まぁ、お前が知ってる奴だから大丈夫だろ」
「あっ、俺マネージャー知っとるのね。んーReoとか?」
俺は選手時代一緒に戦ってくれた仲間を出す。
「Reoは世界一チームのマネを今でもやってる。まぁ、言ってしまうとSakukqruだな」
「Sakukqru……あの、それって俺の昔のゲームで使ってたIDじゃ……」
「おー覚えてるのか。お前が極端に給料高いのはマネージャー業もするからだよ」
「……マジすか。さっきマネージャーに頼りすぎるなとか言ってたくくせに俺なんすか。俺メンバーの出張とかついて行かないと行けないん?」
「ああ。どうせ光源氏は解雇で綾間さんと女子大生しか居ないんだから大丈夫だろ」
「大丈夫って言うけど俺そこまで案件とか持ってこれねぇぞ?」
「あーマネージャー業って言ったけどやるのスケジュール確認とタレントのメンタルケアだけだから。あと、出張とかについて行くやつ」
「はぁ……俺は全権委任されてる認識でおけ?」
「やりすぎたら俺という上司からぶっ飛ばされるけどな」
「了解……人材足りてないんか?」
「Vtuberに人材さけるほど余裕はない」
「はぁ……お前俺が知り合いってことで予算削りまくってないか?」
「どこぞの誰かが旅行行きたいとか車欲しいとかパソコン欲しいとか家欲しいとか意味がわからないこと言わなければこんな事にはなってねぇんだよ。あと、光源氏が来たからなぁ……」
……ほとんど俺らが優勝したら何欲しいかの時に言ったやつぅぅぅ。
「俺らのせいじゃないすかすいません。てか、光源氏が来たからとは?」
「マネへのセクハラ対策」
「男でいいじゃん……」
「世の中にはユニコーンという面倒くさい方々も居てだな……」
「あー了解。まぁ、給料分は頑張るわ」
「頼むぞ。あ、あと第3部隊のデビュー配信についての会議は俺が運営側の説明役として参加するからよろしくな」
「オーナー自らか」
「空愛とかいう問題要素しかないやつを任せられる人が居ねぇんだよ」
「普通に誰かよこせよ……」
「まぁ、他の部隊も部隊内で協力して団結力ができた感じだから部隊で支え合って頑張れ」
「了解」
「綾間さんも大体空愛か同僚になる女の子に相談してね。まぁ、俺とか世界一メンバーは空愛の愚痴とかいつでも待ってるから気軽に連絡してもらえると嬉しい」
「あっ、ありがとうございます」
「よし。じゃあ、家は俺が世界大会に行くまでに移動してくれ。じゃあ、契約完了とします。これからどうぞよろしくお願いします。Vtuber引退後はしっかりUNか魔導協会スタッフとして雇うことも可能ですのでその時に。まぁ、この契約もタレント契約っていうより入社契約みたいなもんなんだけどな。ほい」
Mickeyが俺と菜璃にカードのようなものを渡してくる。
「UNの社員証で事務所入る時とかに使うからなくすなよ。まぁ、第3部隊は空愛のせいで魔導協会所属っていうよりUN所属になるからよろしく頼む。まぁ、魔導協会もUNStreamer部門も上は俺だからそこまで変わらないんだがな」
「めちゃくちゃ変わるだろうが……てか、こんな特別扱いでいいのか?」
「そこはもう目を瞑るしかねぇだろ。まぁ、第3部隊は光源氏が来たりしてそもそもヤバいんだから今更よ」
「え?もうなんか上がってるの?」
「枕営業ぅ〜女子高校生と飲み会ぃ〜あれ?女子高校生朝帰りらしいけどどこ居たんだろぉ〜」
「……もう光源氏デビュー配信させなくていいんじゃないかな?」
「色々と兼ね合いがあるのよ。まぁ、俺自身光源氏には恨みがあるから盛大にやらかしてほしい」
「えぇ……まぁ、俺も恨みあるけどさぁ〜会社死なない?」
「まぁ、はっきり言ってVtuber自体潰す可能性もあるけど全部Vtuberになる前の事なんだし大丈夫だろ。あっ、絵師さんについては話しつけたから」
「動き早いっすね」
「ホントに申し訳ない限りだ。光源氏用のキャラは本人に買い取らせる考え」
「第3部隊の衣装は?」
「それについては違うやつに差し替えしてもらった。なんやかんやこの衣装も大事なものになるしな」
「それはそう」
「あの、光源氏って誰ですか?」
「あー菜璃にはまだ伝えてなかったか。散々俺がこの頃相談してねって言った理由の人。簡単に言うと昔から女の人関係で燃えまくってる人で競技シーンからもそれが原因で引退に追い込まれた人。その後はStreamerとして活動してたんだけどUNが優勝した時に俺もコーチしたらこんくらいの奴ら作れるとかUNはチート使ってるとか散々俺たちを煽った人っていうか火を付けた人ね」
「えぇ……なんでUN傘下の魔導協会からVtuberに……あっ、枕か」
「それが分からないんだけどなんか色々あったんだろうね……」
「まぁ、対策は俺たちがしっかりするんで安心してください。あっ、何かあればすぐに空愛に相談を。世界を一回敵に回しても勝つくらい凄い男なんで」
「あーインタビューの話ね。てめぇら黙って見とけくそがってブチ切れたやつ」
「空愛なにやってるの!?」
菜璃がこの世のものとは思えない物を見たような表情でこちらを見てくる。
「いや、どうせチートやってんでしょ?とか色々と言われた時があってね……まぁ、今は笑い話よ笑い話」
「ホントにプレーで黙らせたからな……」
「よし、じゃあ終わるか。また空愛には連絡するからその時に。あっ因みに実質俺が第3部隊のマネージャーみたいなもんね。俺このあとまだスポンサー契約あるのよね」
「え?マジで?まぁ、頑張れ。今日はありがとうございました。これからよろしくお願いします。Mickeyマネ」
「私もありがとうございました。これからよろしくお願いします。Mickeyマネージャー」
「ヤバイな。俺ガチでマネージャーが天職かもしれん。はい。じゃあ気をつけて〜」
「てめぇの天職は俺たちの……いや、頑張れ。また連絡待ってる」
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