UNカップカスタム

第7話 UNカップ 1

昨日決まった俺のUNカップ出場。ネット上では、またAkuqのプレイングが見られるのか!!と熱狂するファンがいたり、#Akuq参戦でトレンド入りしたらしいがそんな事は置いといて……。

「彼女が出来たのにも関わらずこれから一週間ずっとゲームすると……ふーん」

俺は正座をしていて菜璃に見下されている。

そう、俺は人生史上最大の危機に瀕していた。

「まだ3日目だよね?普通だったら手をつなげるかな?とか考えるだけで嬉しくなっちゃうような時期だよね?まぁ、私達は色々と飛ばした感あるけど彼女のことしか考えられない時だよね?」

「まことにその通りだと思います」

俺は頭を床に擦りつけながら菜璃の話をうなずく。

「もしかしてだけど私との関係ってやっぱり一夜の過ち?」

「そんな事は一切ございません」

「言葉が白々しいなぁ〜」

じゃあ、俺になんと言えと!?

「えー俺って男の子だから冒険したい年頃なんだよね……」

「ふーん……だからどこぞのVや配信者とイチャコラすると?」

やっばいな初手から地雷踏みに行ったわ。こっち見る目の鋭さが2倍になったんだけど……今にも目ン玉飛び出るぐらいかっぴらいてんだけど!!

「俺まだ何もやってないんですけど」

「白人美少女」

嘘でしょ!?そのネタまだ引きずるの!?あっ、やばいな。威圧がやばい。こんなの受けたら1球も投げられずに降板だわ。白人美少女まだ引きずるんですね。そうなんですね……。

「私は菜璃様に心も体も夢中でございます〜」

「へぇ〜じゃあなんでUNカップに出るのかな?」

「UNカップに出たら就職先を2件も紹介してくださるとの事でしたので……菜璃さんも一緒に」

「うんうん。それ昨日聞いたね。どうして今まで声出しNGでやってたのに今回はそれがないのかな?これって配信にイチャコラしてるとこを載せるって公言してるようなものだよね?」

「よく調べてますね……」

なに?この人1日で俺のこと調べたの?てか、俺の声が引退インタビュー以外でネットに流れてない事をどうやって知った?やばいな……急に怖くなってきたんだが。

「Mickeyさんから教えてもらったの」

「……あ"!?」

俺の友人と彼女が知らない内に連絡先を交換していた件について。俺NTRには興味ないんだが……いや、冗談言ってる場合じゃねぇ。マジかよ!?つまり俺の赤裸々な過去がバレたと?徹夜明けヒャッハー事件や壁ドン事件、さらにはコスプレイヤーに逃げられたあの事までバレたと!?嘘だろ。もう俺、嫁に行けねぇよ。シクシク。

「空愛、安心して。私全然空愛の過去は気にしないから。全部もう受け止めたから」

「……もう本当にお嫁に行けない」

「大丈夫。私がもらってあげるから」

「菜璃様、愛してる〜」

「ありがと、私も愛してる。で、UNカップなんだけど」

「あっ、はい」

……戻すんですね。愛を確かめあったのに戻すんですね!!

「私ね、少し不安なの。せっかく初めての彼氏もとい人生のパートナーが出来たのにどこぞの知らない小娘どもに取られてしまうんじゃないかなって」

「そうですか……」

「うちの彼って、浮気性だから……」

「……浮気性?浮気性?えっ、俺そんな信頼感ないの?俺まだなんにもやってないですけど?こちとら初めての彼女に舞い上がって全財産ヤった次の日に見せるようなやつですけど!?」

「私そんなに愛してるとか言わないからさ……ただ、美人のコスプレイヤーに写真要求されただけで勘違いして色々……」

「わかった。その後はやめてくれさいお願いします。でも、大丈夫。俺そんなに適当な男じゃないから。菜璃以外愛せないから。それに……ほら、菜璃の気持ちは、俺、その夜に……」

「空愛待って。それ以上は大丈夫。まぁ、今回は空愛を信じるね。はっきり言えば夜散々ヤられてるから仕返しにMickeyさんに聞いた話で空愛いじりたかっただけだったから」

「……あ"?あーはい。ソレハワタシガワルイデスネ。スイマセン」

「感情が一切感じられないけど良いとします。じゃあ私は一旦家に帰るね。2日も空愛にお世話になる訳にも行かないし」

昨日は結局起きる時間が昼というか夕方だったことや、俺の家になぜか女物のがあったりと(友人が面白半分でおいていきやがった)彼女は冷蔵庫で発見した日本酒を抱きかかえて「ここの子になる」と言い、結局実家に帰らなかったのだ。

「俺はいつまでも居てもらっていいけどね。まぁ、本当に同棲の許可が親に取れたら家を探しに行こうか」

「空愛も一緒に帰る?」

「あなた俺に対して距離近すぎませんかね?まぁ、そうだな……UNカップが終わって就職先が決まれば挨拶ぐらい行くよ。ただ、勘違いしてる奴ほど結婚が早いって言う人もいるから少しあれだけど」

「人生の墓場にようこそ空愛」

「それ好きね……まぁ、はい」

「やけに素直だね……」

「これから一旦家に帰る彼女を不安にさせるようなことは言わないよ。一応時間が経ってこれからの事を考えてると自然と笑ってる自分も居るからね」

「ふーん。じゃあ一旦ばいばい。今度は空愛から誘ってね」

彼女は少し嬉しそうに少しステップを踏むとこちらを向いて手を振りながら歩いていった。俺は彼女が普通に歩くのを見るとこの後のことを考える。

「じゃあ、俺もpcの準備を……あれ?これって駅まで送ったほうが良くね?」

俺は危険を察知するのが得意なのかなんなのか。ここでの完璧な彼氏の対応として彼女を家にまで送るというのが頭の中に出てきた。俺はその考えが出るとすぐに菜璃を追いかけた。

菜璃は思ったよりも遠くに行っておらずすぐに見つけることが出来た。ただ、俺が走ってきた事に驚いたのか何が起こってるのかわからないという表情でこちらを見てきた。

「えっと、私なにか忘れ物でもした?」

「あーいや、彼氏として駅まで恋人を送るべきなんじゃないかって天啓を得てね」

「天啓って……私そんなに弱く見える?走ってきたって事は心配したんでしょ?」

「これでも一応彼氏なんで心配ぐらいしますよ……車で送れれば一番いいんだろうけど買うのが面倒くさくて持ってないんだよね」

「免許持ってるだけで凄いと思うけど。私を心配してねぇ……ふーん。じゃあ駅まで送ってよ」

「元からそのつもりですが分かりましたお嬢様」

「でも、空愛が来たのは普通に驚いたなぁ。だって私のことどこまで行っても他人みたいに扱うもん」

「他人みたいって……軽口叩いてる時点でもう身内同然なんですが。俺拗らせまくってるタイプだからあの一夜から最重要人物に格上げされてますが」

「へぇ……」

そう言うと彼女は俺の心の内を知れたことが嬉しいのか顔をとろけさせていた。するとすぐに駅が見えてくる。俺は少し焦っていたのか住んでいる家から駅までにかかる時間は徒歩で15分なのを忘れていた。

「やっぱり駅近いな。最悪これなら送らなくても……」

「空愛、危険は常日頃から隣り合わせなんだよ。こんな可愛い彼女一人で帰せるの?」

「また送りますよ。お嬢様。じゃあ、俺はUNカップ頑張るからまた今度ね」

「次は私の家に来てね」

「付き合い始めて3日のカップルの話じゃねぇな……まぁ、了解。また今度」

「じゃあ、ばいばい」

彼女はさっき以上の笑顔でそう言うと駅の改札へと足を進めた。俺はそれを見送ってなら自分の家へと体を向けた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

俺は家に帰るとすぐにUNカップカスタムに参加するための準備を始めた。

discoとBAROを起動してっと……えー大会用ボイスチャット。これに入っとけばいいか。

するとすぐに今回一緒に出るメンバーのJadeが入ってきた。

「Jadeおひさー」

「おひさーって言うかAREXやったじゃん。彼女おめ」

「あざーす」

Jade。元々俺の居たプロチームでリーダーをしていた俺と同じ歳のプロゲーマー。状況判断とエイムが、とても良くIGLとしての役割をしていたりもする。高校時代バスケの強豪校で1年からスタメンをしていた事もあり背がとても高く、さらに運動神経もよく、性格が優しすぎるということもあり前回Mickeyの思いつきで行われたUN人気投票では5位に入っていた。え?他の上位?軽く言えばわかると思うがうちには人気のコスプレイヤーとゲーム実況者がストリーマーとして入っているんだ……もうなんというか、分かってたけど差が激しかったよね。ただ、男部門一位はこのJadeだ。俺がいれば2位だっただろうけどな!!

「てか、今年の大会大丈夫?2ヶ月もない気がするけど」

「UNカップが終われば練習やばいんじゃないかな。まぁ、この大会が良い練習試合になればいいと思う」

「まぁ、それもそうね。俺軽く思ったんだけど一人余るんじゃない?BAROって5人のゲームだよね?」

UNは6人体制のチームでマップごとにチームメンバーを変えて試合に望んでいたのだ。今回もそれで良いかもしれないがせっかくの大会で交代するのに時間をかけたり1チームだけ6人というも変だと思ったのでJadeに聞いてみる。

「あーTigaは今回不参加っていうか別チームで出る。流石にディエリスト3人はやばいってことで」

「Tigaがまた面倒事を引き受けたのか。それでもAkuq、Jade、Ozu、Rutio、Sakuraはやばいと思うんだが……俺ら全員ハンドガンラウンド世界大会で落としたこと無かったからね?」

去年の話ではあるのだが、俺たちUNはハンドガンラウンドを一切落とさずに優勝へと足を運んだ。

「まぁ、Akuqは縛り無しだからもっとやばいかもね」

「え?俺縛りないの?」

「Mickeyがしっかりと言ってたでしょ?競技シーンだけシェリフ縛りだって」

「あー俺って一応引退してるから……俺無双するがおけ?」

「おけ」

え?俺縛りないの?世界大会に出るチームにすらACE取りまくった俺が何も縛りないの?マジかよ。参加チーム見たけど俺と張り合えるレベルの化け物居なかったぞ?

「あーただもしかしたらナーフはいるかも」

「まぁ、それはそうよね。ただ縛り無しか俺。これでも日本サーバー1位なんだけど。そして、ちゃっかり世界大会MVPの時より全体的にレベル上がってるけど」

「Akuqって選手やめてからもゲーム時間変わってなかったからなぁ〜なんで辞めたのかなぁ〜」

「合コン行きたかったからです」

「やばすぎだろww。Ozuもそんな事言って俺はストリーマーになるんだぁぁって叫んでたけどさ」

「あいつは確かMickeyが店連れて行ってやるからとか言って競技シーン残ったんだっけ……そうだ。てめぇら白人美少女達とお楽しみだったな」

「いや、まぁ、なんというかね。凄く良い経験になりました」

Jadeは間髪をいれずにそう答える。

「てめぇ、マジでぶっ飛ばす」

「君の彼女とMickeyだけが連絡先を交換したと思っていたのかっ」

「え?お前も交換してるの?」

「うん。Mickeyさんに教えてもらってこれからAkuqをよろしくお願いしますって言っといた。メンバー全員君の彼女とお友達だよ」

「……俺はお前たちに逆らうことが出来ないのか」

俺の知らないうちにそんな事になってたなんて。くそっ、勝ち目ねぇじゃないか。一番大事な心臓を掴まれている……。

「まぁまぁ。一応言っとくと全員が全員白人美少女のことを言ったらあいつ悔しがるから彼女については何もしないでやるかってさ」

「お前ら俺のなんなの?俺、いじめられてるの?」

「悪友だからね」

「やばいな。回答が完璧すぎて何も言えない。まぁ、うちの彼女様にだけは迷惑かけないで」

「それは安心して良し。だって、俺ら大体女性恐怖症持ちぞ?」

「えー俺は病み女子、Jadeヤンデレ、Tiga浮気、Ozu二次元萌、Sakura玉砕、Rutio陰キャ、Lsk結婚詐欺、Mickey出会いなしだっけか」

「その肩書ヤバすぎるだろww……俺らよく世界大会優勝出来たな」

「決勝前日に相手チームのエースが彼女とイチャラブ電話してた事ネットに流して海外製ライオットブラッドZ飲んだからだろ」

そう、決勝への対策会議をしている最中に相手チームのエースの惚気を見てしまいLskコーチが「俺以上に幸せなやつが居てたまるかぁぁ!!こちとら昔大会の優勝賞金全部取られて逃げられとんのじゃァァ」とブチギレて俺らは「てめぇまだ未成年なのになに惚気けてんじゃボケェぇ」とその場にいた全員が相手チームのエースにブチギレて1段階覚醒したのだ。

「あいつ幸せにやってんのかな」

「俺らが必要以上に嫌がらせならぬ1stピック固定してしっかりと死体撃ち(リスペクト)した結果ゲーム以外に惚気けていたのがいけなかったとか言って彼女と別れたらしいぞ。てか、日本チームにはゲームの大切さを教えてもらったとかインタビューで答えてる」 

「一人の人生を変えちまったか……俺らって凄いんだな」

「まぁ、目を逸らしたいよな。Akuq、これだけは覚えとけ。全てはLskコーチのせいだ。てか、あの人凄すぎる。コイツはここに必ず出てくるから置きエイムで〇〇秒後に抜けとか、スナイパーでここに置きエイムしとけ。あいつは絶対に出てくる。とか、ジャッジはここだ。ここをヤツは通ってくるとか全部言い当ててたからな……」

「どんだけ幸せなやつが憎いんだよ……あれ、俺大丈夫かな?」

「一応言っとくとあの人逃げられた後立ち寄ったバーの店員と良い感じらしいぞ」

「へぇ……どんな感じ?」

「歳は25で1回見たことあるけどめちゃくちゃ美人の人」

「Lskさんって27だったから年下か……応援しとこ」

「あれ、冷やかさないんだ」

「いや、だってあの人だぞ?冷やかしたらどんな仕返しくるか分かんないだろうが……まぁ、流石にもう社会人なっちゃうし自重するよ」

「それもそうか」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

人物紹介 


Jade 23歳 男

UN所属のプロゲーマー 異名 日本の忍

高校時代バスケをやっており、とても身体能力が高い。背も高く、高校時代、大学時代とモテモテ。

ヤンデレと付き合った事がありそれ以来女性とあまり話す事がなくなった。


Mickey 23歳 男

UNのスポンサー 

株で当てまくり世界の億万長者の中に一瞬で入った豪運の持ち主。根が優しく友人のことをとても大事に思っている。性癖は未亡人の人妻。大和最高


Lsk 27歳 男 異名 世界一のテロリスト

 (ジャッジ五本持ちなどを指示したため)

UN所属のコーチ

昔は世界大会で活躍したこともあったが結婚詐欺が原因で選手を引退することに。元々ゲーム仲間だったMickeyに拾われてコーチに。

少々結婚に対して敏感だった時期を超えて今では新しい愛を探している。


Tiga 23歳 男

UN所属のプロゲーマー

とても優しくて面倒事をかって出てくれるタイプ。

その優しさのせいなのか浮気されたあとにやっぱりあなたの事が一番好きなのと言われた経験があるそうだがその事もあり、少々女性嫌いに。


Ozu 23歳 男

UN所属のプロゲーマー

Akuqと一緒に競技シーンを引退しようとしていたがMickeyに止められて引退を撤回。現実にラブコメがあると信じておらず昔、高校の時に笑顔が素敵ですと告られた時一応オーケーしたものの一切の進展なし。幼馴染みもおり、バレンタインはチョコをもらっているらしい。さらに高校時代けいおん部所属でベースをやっており、大体の楽器も引ける。高校時代、軽くイケボ配信者をしたところ地雷に引っかかり爆破。


Sakura 23歳 男

UN所属のプロゲーマー

なんでもキャラを使うことができ、UNの秘密兵器。 UNの戦術の要を握っている。

こいつがいるせいで他チームがUNを研究することができないと言われている。一応IGLを担当することもある。顔は良いのだが客観的趣向が強すぎる人物。

身内以外にはいつも警戒態勢をとっており、半引きこもりと化している。(チーム練習は社長の家ですることが多いため部屋の外には出ている)

昔学生の頃、好きだった女子に告白したが玉砕し、それ以来……。


Rutio 23歳 男

UN所属のプロゲーマー

モクのスペシャリストで海外からも評価をもらっている。大変人柄が良く、チームのムードメーカー。

配信者としても大変人気で「この人、本当にプロゲーマー?」とよく言われている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る