覚醒
現状報告、、、
見知らぬ山の見知らぬ神社の前で同級生の女子に刀を向けられ(ちなみに3回目...内1回は刺され)ている。
「準備はいい?」
「殺される準備ってなに?遺言書は書いてないよ」
「はい、よーいドン!」
(そっちが聞いたのに無視された!?)
(あ...今度こそ死んだわ人間死ぬ時、周りがスローモーションになると聞くけれど本当なんだな)
わりと、どうでもいい貴重な体験を堪能しているとまた前回の時みたく胸が熱くなるのを感じる。
ドクンッ
そして、心臓が跳ねるように躍動した瞬間、僕の意識は暗闇に消えた。
「ん......あれ?」
目覚めると思ってなかった意識が戻ったことに内心驚きながらゆっくり目を開くと、視界には、真っ暗な夜に輝く満点の星とそれに引けを取らない
「気分はどう?」
「どう...なったの?」
可愛い子の膝枕にドキドキしそうな思春期男子心をグッと押し留め、あの後の事を青井さんに問いかける。
「結果的に言えば、私が惨敗」
「惨敗...した?青井さんが?僕に?」
僕が意識を失くす前に見た青井さんの並外れた身体能力。
とてもあそこから僕が、勝つビジョンが見えない。
「あり得ないって顔してるけどホント!なんならあそこで寝ている紫崎も赤羽くんが
青井さんが指差す方向には大木に顔だけ貫通して気絶してる残念イケメンの姿があった。
「いったい......何が」
「赤羽くん、これが君のもう1つの...いいや君の本来の力の一端なんだよ」
案外、自分の事が1番分かってないのは、自分なのかも知れない。
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